とかく投票とか評価というものは・・・というような話がスポーツの記事になっていた。まずはこちらの記事をご覧いただこう。
今シーズンのプロ野球の新人王の話だ。今シーズンの新人王は両リーグともショートを守る選手、中日の京田と西武の源田が受賞した。
この二人の実績については、文句があろうはずもないが、問題はセリーグの新人王争いの相手に対する評価だった。
京田208票・大山49票・浜口27票というのはどうよ・・・と、この結果については記者の恥とまで書かれたものもあった。
かつて巨人の高橋由伸が中日の川上憲伸と熾烈な新人王争いをしたときに、当時の長嶋監督が新人王に投手部門と野手部門でやってほしいと言っていたことがあった。
今回の京田はともかく、投手で10勝した浜口が打率237の大山にも負けたというのは、確かに不思議な結果であった。ちなみに浜口は左上写真のように、セリーグの特別賞も受賞しているくらいだ。
投手有利とか、野手有利とかその時々の流行もあるのかも知れない。だが、それにしても・・・で、なんとなく会社員の人事評価とかいろんなことを思ってしまう。
ただ数字の出にくいサラリーマンや噺家の評価と違い、スポーツ選手は数値が残るだけに、もっとキッチリ見てよ・・・と。
そこで思い出したのが、こちらの記事。かつて怪物と呼ばれた江川はとうとう沢村賞を取れなかったのだが、1981年の江川の実績は間違いないだろうと言われていた。
何しろ、20勝6敗、勝率・769、24完投(7完封)、221奪三振、防御率2・29。しかも最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率の4冠だった。
にも関わらず、18勝12敗、勝率・600、14完投(3完封)、126奪三振、防御率2・58と無冠の西本に破れたのだった。
この事件(?)をきっかけに選考自体もずいぶんと変わったりしたのだが、近年も選考基準をすべて満たしながら受賞できなかった投手がいる。
それが2008年と2011年のダルビッシュ、2013年の金子千尋だ。この二人は取られた相手が選考基準未達の項目がありながら負けたこと、そしてその負けた相手がともに楽天の投手だったことも偶然だが・・・とはいえ、その負けた相手の実績はまさにそれ以上のものがあり無冠でもなかったわけで。
無冠で取ったのはこのときくらいかと。このときの判断理由が「江川の人間性」だったという。以前から小生荒っぽいことを言っているが、噺家の論理でいえば、本業がしっかりしていれば、それでいいはず。
ましてや、例の江川事件のときも本人以外の政治家とかいろんな取り巻きが絡んだという説もある中で、それを理由にするのは・・・と。さらにしつこく言えば、翌年も江川は全項目達成しているが、わずかな差で北別府に取られた。
記憶の範囲であるので不確かだが、このときに江川は笑いながら「僕が沢村賞を取るためには、30勝以上しないとダメなのかも」とか言っていたような・・・
当時のスポーツ紙などは、ホームランで1点取られて勝ち投手になっても「また江川、手抜きで一発病」とか書かれたし、逆に西本は4点取られて味方が逆転勝利すれば「炎の完投、西本勝利」なんて書かれていた。
皮肉にも、日馬富士やら白鵬の言動で横綱の品格とかが取りざたされているが、サラリーマンの評価などでも成果よりも、上司への報告とか人間性とか、あるいは遅くまで仕事しているかなどの方が重視されたりしているのが実状。
まっすぐ数字や成果を見ないで、イメージや空気で評価してしまう・・・これが日本という国なのである。
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