小説「目覚める人・日蓮の弟子たち」

小説「目覚める人・日蓮の弟子たち」の連載と、上場投信日興225の勉強会をします。

小説「目覚める人・日蓮の弟子たち」三十

2010-09-28 | 「目覚める人・日蓮の弟子たち」
  法華経の行者 四

「あっそうだ、話こんでいるうちについ時間がたった。
大学どの最後にひとつ訊きたいのだが、立正安国論は正しい法に基づ
き正義を立て、国を安泰にするよう国王に説いたものだが、個人の場
合はどうだろう。」

「はい、金光明王経は王の質問に釈迦が答えた経典ですが、元々仏教
は苦悩する民衆を救うために説かれたものです。
国王も個ごの人も人間である事に変わりはありませんから、個人の幸
福もこの原則をはなれてはあり得ないと思います。」

「分かりもおした。わしもそう思っていたのだ。
それでは大学どの、みなも待っているので奥へご案内しよう」

小源太は先に立ち渡り廊下を通って三郎を案内した。母屋の奥の客間
にくると、火鉢が隅においてあって部屋のなかは春の日のように暖か
った。

すでに六人分の箱膳が置いてあって女たちが甲斐甲斐しく料理を運ん
でいた。義昭の妻峰子も女たちにまじって働いていた。

 義昭は敷地内にある本家からもう来ていて、末席に座って待ってい
た。小源太と大学三郎が入ってくると父親に会釈し、三郎の前に両手
をついて挨拶した。

「これは先生おひさしうございます。今日はよくおこしくださいまし
た。どうぞごゆるりとお過ごしください」

 三郎は義昭を目を細めて見ながら、

「義昭どの、一段とご立派になられましたな、またこの節は毎日の激
務でご苦労さまです」と応えた。

続く  
    

 

上場投信日興225勉強会

2010-09-26 | 日興225勉強会
   
  (日興225日足)

  *

二十五日に197ドル高と急反発したNY市場の動向が注目されます。

四ヶ月来の高値だそうですから、上昇相場に向かう兆しになるかもしれません。

  *

東京市場も九千円近くのもちあい相場から離れましたが、円高でまた下がっています。

NY市場を好感して一万円を伺う相場展開になる可能性が出てきました。

  *

沖縄尖閣諸島で起きた中国とのトラブルで、アメリカとの協調路線が強化されそうなこと..

中国は共産党の独裁国家ですから、国内でも国外でも強健を発動しても自国の要求をのませ

ようとします。

一党独裁の国ですから、それなにの対応を常に考えておく必要があります。

日本は海岸線の長さでは世界一、二の島国ですからその中の一端でトラブルがあっても特く

に騒ぎたてることはないでしょう。日中両国のために、雨降って地固まるチャンスにすれ

ば大人の交渉ということになるでしょう。

市場は争いを好みません。中国船長の釈放はよかったと思います。

 以上


所感(社会)

2010-09-24 | 所感
  自立心について *

「国(人)がなにをしてくれるかではなく、国(人)のためになにが出来
るか問いたまえ。 
およそ一個の男子として国(人)のために尽くすことは、尽くし過ぎる
ということはないのである」

故ジョンF・ケネディの有名な演説の中の言葉です。聞き伝えなので
前後や演説の全容については存じていません。私が若い頃中途入社し
た証券会社の女子社員が猛烈なケネディファンで、その女性が毎朝呪
文のようにとなえているのを聞いて覚えたのです。

たいへんな会社にはいったものだと、身の引き締まる思いをしまし
た。今から五十年も前のことですから、人の気持ちも変わり、時代も
移りましたが、国や人のために尽くすことを誇りに思う時代があった
のです。

それに引きかえ現代は、ちょつとしたことでも国や他人のせいにして
損害賠償を要求する訴訟が益々増えています。なんでも人のせいにし
て責任を取らせる風潮がまかり通っているのです。人気取りに国民に
甘いことばかり言う政党もあります。

人間の生命には、困難に立ち向かう勇気さえあれば、どんな障害や壁
があっても乗り越えていく力が具わっています。
困難を避け国や人えの依存心の強い人は、生命に具わっている無限の
力を使う機会をなくしているのです。

自立心のある人間をいかに育成するか、政治の課題であると思います
が、いかがでしょうか。
自立心のある若者が日本を見限って、海外に出ているニュースを見て
感じたことです。

 一市民
 

小説「目覚める人・日蓮の弟子たち」二十九

2010-09-23 | 「目覚める人・日蓮の弟子たち」

 法華経の行者 三 *  

「ところで釈迦は後世の人師によって、自分の教えが間違って伝えら
れることを予測し、”法によって人に依らざれ”と最後に言い残して
います。
釈迦の教えを書いた経典によるべきで、後世の学者や僧の言う事を用
いてはならないと、遺言ともいわれる涅槃経で何回も何回も念を押し
ています。
 そこで私が思いますのに、上人は釈迦の経典が真実で後世の人師が
書いた論釈に誤りがあることを見通しておられるが、他の僧は先人の
論釈にこだわり、釈迦の教えを外れているゆえ真実が分かっていない
のではないか、と考えたのです。

 上人が、このことを知っているのは日本国で自分だけだ。
と申されるのも、他の多くの僧はこれを知らないのだ。と暗に指摘さ
れているのだと思います。」

「なるほど、さすが大学どのじゃ、この上はいよいよ上人にお目にか
かって教えを乞うほかあるまい。」

 と小源太は言った。

「それにとの、釈迦は苦しむ民衆を救うために、国の隅から隅まで法
を説いて廻りましたが、今の僧侶のなかで釈迦のように説法して、人
を導いている方は日蓮上人のほかにいないようです。」

「大学どの、よく調べてくださった。ありがたい。
聞くところによると上人の庵で法座というのがあり、だれでも説法を
聞けるそうじゃ、わしは是非それに行ってみようと思うが、そなたも
一緒にどうかのう」

「はい、是非私もそうしたいと思います」

 小源太と三郎は時のたつのも忘れ熱心に話しこんでいた。
気がつくと持仏堂のなかが薄暗くなった。女中の峰が明かりを持って
きて、

「との、お話がはずんでいるようですが、準備のほうも出来ましたの
で奥へおいで下さいますよう、奥方さまが申されています」
と言った。

続く  
  

  

小説「目覚める人・日蓮と弟子たち」二十八

2010-09-21 | 「目覚める人・日蓮の弟子たち」

 法華経の行者 二 *

「やはりのう、それでそなたは何故そうなるのか理由が分かりました
か。」

「正直に言って私には、経典を読んだだけで理由は分かりませんでし
たが、中国の出来事やわが国で実際に起きた事件をみましても、予言
通りになっていることは疑いようもない事実です。
私には何故そうなるのか分かりませんが、教典に書いてある事が間違
いだとは到底思えません。
 それでこの上は、上人に直接会って教えて頂くのが一番だと考えた
のです。」

「うーん、そうかのう、わしも実は上人にお目にかかって教えを乞い
たいと内々思っているが、もうひとつわしが腑に落ちないのは、何故
上人にだけ分かって、あまたいる他の僧には分からないのだろうと不
審に思えるのだ。」

「はい、その点について私も考えてみました。
わが国に外国から伝わっている教典は、六千巻とも七千巻とも言われ
ていますが、全国の主要な寺院に散在して保管されています。」

「ほーう、そんなにあるのか。」

「その膨大な数の経典を全部読むことは不可能に近いうえに、経典で
なく釈や論といって、経典を釈したり、後世の学者や僧が自分はこう
解釈すると論じたものを学んで仏教を修行しているのが実情です。」

「そうであろう、それはわしにも納得できるが、」

続く   
  

 

上場投信日興225勉強会

2010-09-18 | 日興225勉強会
   
   (日興225日足)

  *

上図で分かりますように、日興225は九千円近辺のもちあいから上に放れました。

直接のきっかけは日銀による為替市場介入で円が二円近く急落したことにあります。だが過

去なん回も日銀による市場介入をみてきましたが、こんなに劇的な効果をみたのは始めてで

す。

  *

株価は輸出関連株を中心に大幅高になりました。

これも介入の時期が絶妙なタイミングであったことを示しています。

  *

「管さんは運がいい」これは今日のサンケイ記事の見出しですが、確かに円の急落や、株価

の反発が、就任翌日のことであり、くわえて各種世論調査で支持率が急上昇していますから

強運の持ち主でしょう。

  *

二十年に及ぶデフレ不況は、政治家が政局だけを争い、政治をほったらかしていた結果であ

ります。その中心にいたのが小沢氏でした。

  *

国家百年の正義のために巨悪は眠らせない、と豪語していた東京地検特捜部が結論をだすで

しょう。


以上

  

ひとこと

2010-09-16 | ひとこと
  ハドソン河の奇蹟 *

 米国オバマ大統領の就任式に百万人の人が祝賀に参加しました。
その前日だったと思いますが、乗客乗員百二十三人を乗せた旅客機が
エンジン故障を起こしてハドソン河に不時着しました。

そして全員が無事救助されたのです。
ハドソン河の奇蹟として、全国民を明るい気持ちにしたハッピーな事
件でした。

管総理が再選された翌日、六年半にわたって市場介入しなかった日銀
が突如円売りドル買いの市場介入をしました。その結果円は二円近く
下がり、株価は大幅高になりました。

経済界はもとより日本全体がホッとしたのです。

金と数だけの旧政治に決別すると宣言して戦い、勝利した菅氏に天が
味方したのではないでしょうか。
「正義によって立つものを天は必ずこれを守護する」
と箴言にもありますから...

 一市民

   

小説「目覚める人・日蓮の弟子たち」二十七

2010-09-15 | 「目覚める人・日蓮の弟子たち」
 第二章 法華経の行者

いつのまにか日が陰って持仏堂の中が寒くなってきた。小源太は火
箸をとると灰の中に埋もれている炭火を取り出した。真っ赤に焼けた
炭火が小源太と三郎の顔を赤く照らしだした。

「少し寒くなってきた。三郎どのも手を暖められよ」

と言って火箸を三郎の方に押しやった。

「ところで三郎どの、例の安国論のことだが、あれからわしももう一
度読んでみたがどうしても分からないことがあるのじゃ」

「との、実は私ももう一度読んでみようと思いまして、政所の宿屋ど
のから写しを借りて読み直してみました」

「ほう、そなたも読まれたか。安国論は宿屋どのを通して時頼どのに
出されたのだが、宿屋どののもとに写しがあったのか、なるほど。そ
れで何か新しい発見でもありましたか」

 小源太は三郎に促すように訊いた。三郎は、

「との、立正安国論に書いてあることを私も経文に照らし合わせて調
べてみましたが、釈迦の経典どおりで寸分の違いもありません。
念のために中国の歴史と、本朝の史実にも照らし合わせてみましが、
上人が述べられている通りでした」
 
「なるほど、それで災害の起こる原因については、そなたはどう思わ
れたかの」

「はい、私も釈迦が亡くなる前に説いたという涅槃経や、国王を指導
する金光明王経などを読んでみました。確かに国の指導者である王が
正法正義に背いて、邪法邪義が広まるのを防がなかった時には、その
国に干ばつ、冷害、飢饉、兵乱などの災害が起きて、王もそれにつな
がる者たちも亡ぶであろう、と警告しています」

続く  

  



  

ひとこと

2010-09-14 | ひとこと
 民主党代表選び *

「信なくんば立たず」

いまから二千四百年前の孔子のコトバです。国民の八割近くが信用で
きないと思っている人物が総理になるか。
国民の支持率も高い現総理が再選されるか。

 本日決まります。

信なしに立つほうも非常識ですが、それを担ごうとする議員氏はどん
な思想を持っているのでしょうか?
近隣諸国に軽蔑される国にはしたくないです。

 一市民   

正しい生命観を持とう

2010-09-13 | 正しい生命観を持とう
 信仰するのはナゼ *

 人間の能力は無限であるが、
 信仰の力を使わずに、引き出すことは出来ない。

 人間の欲望は無限である。
 信仰の力を借りずに、制御することは出来ない。

 信仰するということは、人間である証である。
 同じ生命体であっても、
 動物や魚、植物が信仰心を持っているとは思えない。
 信仰は人間だけに与えられた、特権なのだ。

 「死の瞬間」を書いてベストセラーになり、
 世界を驚愕させたキュプラー・ロス博士は、
 六万人の末期患者のケアをした。
 ロスが面接した末期患者の中で、落ち着いて死を
 迎い入れた患者は、殆ど信仰を持っていた。

 亡くなった両親や、友達にあえるから
 死ぬのは恐くない。などなど...
  宗派によつて違いはあっても、生命の永遠性を
 信じている人がおおかった。

 反対に、優秀で仕事もバリバリやっていた人ほど、
 死に対して恐怖をいだき、最後まで死を拒絶して
 逝った例がおおかった。

 今は乱世というより悪世である。
 わが子を虐待して殺す生みの親、
 ささいなことで恩ある親を殺す子、
 わずかなカネを取るために人を殺すもの、
 死刑になりたくて、たくさんの人を殺す正常者、
 なんの理由もないのに殺されて、殺されたワケが
 わからず、犯人も分からないのがかなりあるようだ。

 人間は何千年も前の原始人に還りつつあるのだろうか。

 大部分の人はマジメで、
 善良な市民として生活している。
 かれらは宗教の違いはあっても、
 なんらかの宗教を信じている。
 自分が信じる宗教の掟、人を殺すなや、
 宗教的良心に従って、自らを制御する。

 不幸(悪)と決別し、人類が滅亡の危機を脱するには、
 宗教が必要であると、気付くことだと思う。

 続く