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地下1,400mにトンネル リニア、技術未確立、着工へ

2014-09-21 16:19:10 | 交通
地下1400メートルにトンネル リニア、技術未確立のまま着工へ【神奈川新聞2014.09.06】
http://www.kanaloco.jp/article/77249

試験走行するリニア



リニア新幹線は「戦艦大和」の二の舞か
 ~グローバル化・人口減の中の大計画~2013年09月19日』

最高時速505キロ、品川-名古屋間40分の“夢の超特急”リニア中央新幹線、10月にも着工。
JR東海は環境影響評価書と工事実施計画書を8月下旬に国土交通省へ提出。完成予定は2027年。
環境への影響やコスト、エネルギー効率について疑問視する意見も根強い
。過去に例のない深さの地下を超高速で走り抜けるこのプロジェクトの全容は-。

■大深度まっしぐら

 地下を突き進むその特異な軌道が克明に示されていた。詳細な断面図が公表されたのは今回が初めてだ。



県内の延長約40キロのうち地上に出るのはわずか1・3キロ。それも相模川橋梁(263メートル)や道志川橋梁(167メートル)など、橋が架かる部分に限られる。

川崎市内はすべて深さ50~80メートルほどの地下を走り、県内唯一の駅となる「神奈川県駅」(仮称、相模原市緑区橋本)のホームは地下約30メートルに造られる計画。13年3月開業の東急東横線渋谷駅とほぼ同じ深さとなる。



駅の5キロほど手前の地点(地下約50メートル)から徐々に地上へ近づき、駅からまた深く潜っていく軌道だ。ホームの深度を浅くするために軌道を引き上げているのだと、JR東海の広報担当者は説明する。

■山間部の地下貫く

工事実施計画書に記載された断面図によると、起点の品川駅から約153キロ地点、小河内岳(標高2802メートル)付近で最深部となる。山頂、つまり地表からの深さは約1410メートル。過去に例のない“超”大深度にトンネルが掘られる計画だ。

掘り出される残土は県内分だけで横浜スタジアム約46杯分の1400万立方メートルに上り、うち7割の使い道は現時点では決まっていない。

■約50ヘクタールの車両基地

品川-名古屋間に二つだけ設けられる車両基地のうち、一つは豊かな自然が広がる相模原市緑区鳥屋の約50ヘクタールに建設される。

道志川橋梁近くで本線から南側へ支線が引かれ、その先に車両を止められるようにする。

日産スタジアムのフィールド約65個分に相当する用地の買収交渉はこれから始める。大規模に山地を開発することで緑地が失われることから、JR東海は近隣に約2ヘクタールの広大な人工の自然環境「ビオトープ」を整備する方針をアセス書に盛り込んだ。現状の湿地や草地に類似した空間をつくるという。

世界最高速度で、過去に例のない大深度地下を世界初の超電導磁気浮上式リニア技術で走る未知の乗り物。その前代未聞の工事が間もなく始動する。

◇エネルギー効率に疑問 産総研・阿部修治さん

最終的に大阪までを結ぶリニア計画は総工費9兆円という巨大プロジェクトだが、膨大なコスト、消費エネルギーに疑問を寄せる声もある。

「メリットはスピードぐらい。エネルギー効率は東海道新幹線と比べ3分の1から4分の1だ」。そう指摘するのは独立行政法人・産業技術総合研究所(茨城県つくば市)で、エネルギー消費やリニア技術などを専門に研究している阿部修治首席評価役(60)。

試算によると、乗客1人当たりに使用するエネルギーは東海道新幹線の4~5倍。消費電力で比べても時速300キロで走行した場合で新幹線の2倍になるという。

さらに8月の工事実施計画の認可申請の際、総工費が935億円増額されたことを例に「具体化していない部分が多く、コストが膨れる可能性は否定できない」と話す。

JR東海は増額の理由について、車両内に電力を供給するシステムを従来のガスタービンから非接触で電力供給できる誘導集電技術に変更したためだとしているが、今後も新たな技術導入や人件費の上昇がないとは限らない。