カタスミ

『箱庭図書館』乙一著

さて、乙一氏の新刊を見つけたので
すんごい楽しみにして読みましたが

…すげぇ微妙…

暗いところで待ち合わせや、暗黒童話くらいのものを期待してしまうので
最近の乙一の作品(別名義含む)はいまいちなものが多い…
と言っても普通に読めるものが多かったのですが
今回に限っては2話目くらいで飽きてきた…
もう乙一も枯れたのかな…とか思っていたら
なんかこれ、リメイク作品らしいですね。
素人の没原稿を元に乙一氏がリメイクをほどこしたらしい。
通りでいまいちなのが多いわ…

以下、ネタバレ有りです。













■小説家のつくり方

この話を物語として形成する意味が全く分からなかった。
潮音という個性的な人物が出てきましたが
いまいち話とのからみが分からない…
活字中毒患者が何かやらかすのかと思いきや
核となる話とはあんまり関係ないんだよねこの人。
小説家になったのは先生に褒められたからではなくて
恨みを晴らすためでした、って話でしたが
ん、それで?という感じでした。

■コンビニ日和

そこそこ読めた。
コンビニに強盗が入って
バイト君達が人質になるんだけれども
そのバイト君達も実は先に入っていた強盗でしたと言うオチでしたが
まぁ、それなら一緒になって警官から逃げるのも分からなくもない。
しかし、そんな簡単に犯罪起こされてもね…という
ちょっとしたモヤモヤ感は残りました。
こちらでも潮音さんがちょろっと出てきたので
ん、これは全話読んだら潮音さんの設定が生きてくるのかな?
という期待が出てきたりしました。

■青春絶縁体

小説家のつくり方の主人公と同じ人物の話で
本当に小説を書き始めた理由が書かれていましたが
うん、まぁこれも、それで?という感じでした。
鈴木さんってキャラ必要なのか?
あまり好き系ではない話。

■ワンダーランド

面白かった。
殺人事件とからませて、実は犯人は…というオチが
結構好きな展開なので、楽しんで読めました。
この中では一番好きな話。

■王国の旗

クソガキのたわごとにしか思えなくて
なにを世間をなめくさりやがって…という気持ちでいっぱいでした。
大人にどんな目にあわされてるかの描写がなかったので
養われておきながら何偉そうなこといっとるのじゃ~!
とクソガキにイライラしました。
窃盗とかしている地点で、もう正当性ないのよね。
夜遊びほうけて、次の日学校で居眠りこいてるとか
いやぁ、どうなんですかね…
子供側に共感する点が皆無でした。
ただ、鍵の流れはワンダーランドとリンクして
上手いなぁ、と思いました。

■ホワイト・ステップ

一番乙一っぽい話でした。
二番目に好きな話かな?
潮音さん出てきましたけど、
結局最後まで活字狂いの設定が
生きてくる事はなかったなぁ…
結局このキャラは、物語に共通点を与える為だけの存在でした。
最後におお!ってなるのかなぁ、と思っていたので
ちょっとがっかり。


元ネタがネットで紹介されていたので、一応ざっと目を通してみましたが
リメイクとしては、とても素晴らしい出来だと思います。
しかし、ひとつの物語として読むといまいちでした。
元ネタを残しつつ、オリジナリティを入れようとしているせいか
まとまりがないというか、無駄な設定が多いと言うか…
同じ町を舞台にするのはいいのですが
潮音という人のキャラ設定が濃すぎて
それがどの話にも生きてこないのが残念極まりない。
後、各話の主人公が違うのに
みんな似たような感じで、途中で飽きてきました。

とりあえず、期待した分外れ感もぱねぇ感じで
今回は星2つかなぁ…
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