カタスミ

『くちびるに歌を』中田永一著

乙一氏別名義の作品です。
さわやかな青春もの。
合唱部の中学生の話。
主人公は合唱部に所属する男女1名ずつの目線で語られ
好感の持てるキャラクターと、エピソードで
スラスラと読み進められました。
後半は涙する事も多く
コンクール後に合唱する辺りも胸熱でしたが
何だろう…なんか物足りない…

以下ネタバレ多々あり、ご注意を。










まず、物語の目線がころころと変わるので
誰のエピソードか、一人称が出るまで分かりにくい事が多かった。
柏木先生が軸になっているようでなんか影が薄い。
自由曲も歌詞くらい聞きたかったのだが、ほぼスルーで影が薄い。
コンクールも盛り上がったような、そうでもないような。
向井ケイスケと辻エリはどうなったの!?
最後の合唱で兄貴が母親の言葉を覚えていた事にすごい打ち震えましたが
大したこと言ってなくてちょっと肩すかしくらった。

いろんな所に伏線がはられていている辺りは
いつもの乙一っぽい感じでしたが
今回は伏線回収が甘いかな…?
それぞれのエピソードが淡々と過ぎているので
もう少し突き詰めてもよかったような。
全体的に盛り上がりに欠ける感が否めない。
なので、最後まで読んでも、爽やかな読後感というよりは物足りなさが勝ってしまった…
話自体は面白いしサクサク読めるので
あと一押し何かがあれば最高にたぎっただろうに
ほんと、惜しい!という感じです。(上から目線でスマソ^^;)

今回は星3.5でヨロ!
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