マラテア
もう2ヶ月近く前ですが、9月の中旬にマラテアというティレニア海側の小さな街に3泊4日で滞在しました。
いつも旅行ではイオニア海かアドリア海方面なのでティレニア海はかなり久しぶりです。15年前くらい前に一度マラテアには行きましたが、1日もいなかったので、そんなに記憶にはなく。。。
私たちが滞在したホテルの場所は街から少しだけ離れたところにあり、建物や部屋の古さは気になりましたが、眺めは期待通り素晴らしかったです。
ホテルに到着するまでの道が海の断崖に沿っていて、なだらかなカーブも多々伴い、正直どきどきするというか、道路も2車線なんですが、そんなに広くないので運転するには(私は運転してませんが、助手席でも寝てられない気分)、かなり神経を使うような道路でした。夜は暗いから、余計冷や冷やする。
ホテルから車で出掛けるたびに、毎日何度も通過していたので多少は慣れましたが。
住むには大変だろうな、、、と。特に冬場に雪など降られたら。。。
マラテアと言えば、透明な青い海の海岸とそのすぐ近くにそびえたつ荒々しい岩山の数々。そして高さ22メートルのキリスト像が有名です。
キリスト像というと一番有名なのはリオデジャネイロのコルコバートの像がありますが、ヨーロッパでは2010年にポーランドに世界一高いキリスト像が完成したらしいです。マラテアのキリスト像は世界では5番目の高さだそうです。
ま、それはさておき、このキリスト像を少し説明します。マラテアは1807年にフランス軍に攻撃された歴史があります、この出来事を忘れないためにSan Biagioという岩山の一番上に鉄の十字架を1907年に建てました。しかし雷により何度も崩壊しては修復されるということを繰り返していました。そして1942年にセメントで作られた十字架が避雷針と共に代わりに同じ場所に建てられました。
1953年にマラテアの産業発展のため派遣されたStefano Rivetti伯爵がその十字架の代わりとして、ブラジルで見たコルコバードのキリスト像のようなものを建設できないものかと、フィレンツェの彫刻家のBruno Innocentiや彫刻専門の大学教授等に相談したのが始まりでした。そして1963年から工事着工、岩山を深く掘り起こした作られた基盤や中心部には大量の鉄が使われ、その周りを大理石とセメントを混ぜ合わせた特殊な混合物で固められ、大体の形が出来てから1964年末から1965年の数ヶ月間で彫刻家Bruno Innocenti自ら現在のキリスト像である形に最終的に彫刻されて出来上がったものです。
歴史を考えると感慨深いものがありますね。この像が建ちそびえる後ろには吸い込まれるような 青い海が広がっており、絶景です。
キリスト像に向かう途中で車を駐車して、普通の道路を少し歩いて上まで行きました。
帰りも歩いて車を停めた場所まで。9月は夏も終わり、観光客も減っているので、キリスト像に行く道路も車はそんなに通りません。が、遠くから見てみるとこの道路怖いくらい高い。。。違う意味で絶景です。
ホテルからの眺めはこんな感じでした。右上の雲の下の岩山が突き出たところの上に小さい白い縦棒のようなものが見えますでしょうか?これがキリスト像です。朝は特に気持ちがいいし、夕方は夕焼けになると神秘的です。こういう風景があるバルコニーで椅子に座ってコーヒーを飲みながら本を読んだりしている人たちを多く見ました。私たちは、どちらかというと朝はゆっくりして、その後はドライブしながら色んな場所に出掛けてましたが。。。ホテルでのんびり過ごすのもありかな?というくらい、確かに眺めは素晴らしいです。
旧市街の街自体はとても小じんまりしています。お店とかも多くはないです。レストランは選べるほどはありますが、正直なところ魚料理は期待したほどではなかったです。車があれば近場の他の街にも遊びに行けますが、若者には少し物足りないような、かなり落ち着いた感じの観光地です。夫婦や恋人同士が眺めのいいホテルに泊まり、近くのビーチやプールで寛いだり、ゆっくりと時間を過ごしたい人たちにはおすすめの場所です。