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((( Barbacrea )))

ロンドン生活を経て、南イタリアのちっちゃな田舎町に移住。

ポリニャーノ・ア・マーレ

2012-09-17 | イタリア

先週の初めに2泊3日でプーリア州のpolignano a mare というアドリア海沿いの小さな町に遊びに行ってきました。ラッキーなことに天気がとっても良くて気持ちよかったです。町が海沿いの崖の上にあります。なので眺めが最高です。海鮮イタリアンのレストランもたくさんあって夏場の8月は観光客ですごい混雑する町なんだと思います。9月に入るとヴァカンスシーズンもほぼ終わりに近いということで、家族連れよりもお年寄りのグループや夫婦の観光客の方が目立ってました。時期的に暑すぎず混みすぎず、9月初めというのは南イタリアを旅行するにはいいシーズンだと思うのですが。若者には落ち着きすぎてる時期でしょうね、きっと(笑)。

ここのビーチは小石のビーチがほとんどで、砂場のように歩きやすくないのが難ですが、海水はとても綺麗でした。泳ぎが得意な人はかなり遠方の洞窟下の方にも泳いで行ったり、シュノーケリングをしたり楽しいと思います。私は泳げても25Mなので、浅瀬のビーチでなければ、ちょっと怖いです。結局わたしたち家族は泳ぎませんでしたが。石なので座るのも寝るのも痛い・・・。ビーチはやっぱり砂浜の方が子供と一緒のこともあり安心できます。でも、小さな町なので、車で動かず、ずっと歩いて観光できるのがよかったです。こういう小旅行なら時間があれば何時でも行きたいなぁ。。。イタリアに住んでいながら、なかなか国内旅行をする暇がなくて残念です。これからはもっと色々なイタリアを発見してみたいですね。

今回私たちは2つのB&Bに宿泊しました(予約が遅すぎて同じB&Bに2泊とまれませんでした)。どちらもサービスはさておき、室内の雰囲気はとても気に入りました。特に後に宿泊したB&Bは中3階になっていて、広くて、バルコニーやキッチンまでついているアパートメント風で素敵でした。掃除もきちんとされていて清潔だったし、こういうB&Bだったら何時でも泊まりたいなと思うほどでした。ネットで調べて予約したので心配でしたが、今回は2つとも外しませんでした、珍しく満足でした!

エントランス付近の一昔前の田舎風にアレンジされたスペース

中2階にあるベットルーム

 

中3階にあったキッチンダイニングスペース(料理は全くしませんでしたが) 外には大き目のバルコニーがありました。

ランチをしたレストランから見た光景。なんと地元の男の子たちが崖の上から飛び込みしてました。結構高いところからです。ずっと見てたのですが、最初はやっぱり怖かったのか飛び込むのに時間がかかってました。すると、後から来たもう一人の男の子が先にすんなりと飛び込んでしまったという、何とも楽しい出来事でした。崖の上からもたくさんの観光客がいつ飛び込むのかなぁ、と長い間見物してました。映画「グラン・ブルー」をふと思い出しました。写真が小さくて見えないかな~。エンターテイメントをありがとう、地元の少年たち!

 

 


ユーロ2012

2012-07-01 | イタリア

今日から7月、こちらは真夏日が続いています。来週は更に暑くなるとの予報が・・・。暑さに弱い私にとっては、体が疲れやすいです。特にビーチに行った日は疲れも倍増、なんせ太陽が半端なく強いので体のエネルギーが吸い取られる感じです。それでも夕方以降になると涼しくなるのが救いですが。今日は普通の日曜日になるはずでしたが、今日はイタリアにとって特別な日曜日。それはサッカーの欧州チャンピオンを決める決勝戦イタリアースペインがあるからです。数日前の準決勝でドイツを破ったイタリアチームにイタリア中が歓喜しました。試合が終わった後はイタリア中お祭りでした。日頃、暗いニュースばかりが流れているので、久々の明るいニュース。サッカーくらい勝ってくれないとイタリアもやってられません。皮肉なことに、今回のEURO2012の決勝は、今欧州危機でギリシャの次に注目浴びてる(悪い意味でですよ)スペインとイタリア。政治の世界では、先日行われたEU首脳会議で緊急措置の合意において、イタリアのモンティ首相とスペインのラホイ首相が、ドイツのメルケル首相に粘り勝ちしたとも言われてます。それと同時にサッカーでもイタリアのマリオ・バロテッリ選手がドイツ相手に2ゴール決めました。今最も注目されてる二人のマリオ。イタリアでは、二人ともスーパー・マリオと言われてます。もちろん、あの任天堂のゲームキャラクターに例えてです。

話は逸れてしまいましたが、とにかく今夜は決勝戦、みんな試合を楽しみに待っています。私たち家族は、前回と同じく友人宅の外庭で数家族一緒に夕食を食べながら試合を観賞する予定です。(外庭だと子供達にとってもスペースがあるので遊ばせやすく好都合です。)ここまで来たら、やはり優勝してもらいたいですね。スーパー・マリオ今夜もゴールお願いしますよ~。普段サッカーの試合は全然見ない人達が今夜はみな試合に釘付けになる日。どこの国も同じだと思いますが。今夜はイタリア全土の広場では大騒ぎ&大変なことになりそうです。


リアリティ・ショウ

2011-05-07 | イタリア

今回は、かなり軽めなTVの話題です。

イタリアではグランデ・フラテッロ(英名:ビッグ・ブラザー)という番組が大人気で、毎年必ず放映されます。今年で既に11年目だというのだから驚きです。そして先月中旬に半年続いたこの番組が最終回を迎えました。この番組はオランダ発祥なんですけど、その後他のヨーロッパの国々に拡がりました。イタリアでは視聴率も異常に高いらしいです。あんな馬鹿な番組見ないわよ、と言いながら見ている人も多そうな・・・

この番組をさらっと説明しますと、オーディションから選ばれた一般人が(今年の番組ではトータルで25人くらい?)番組用に作られた大きな庭付きの家に24時間カメラで監視されながら同居していくというもの。(外部からは完全に遮断されているので、閉じ込められている状態)そして毎週1人(もしくは2人)と人気のない人が参加者と視聴者の投票によって落選し、家から出て行かなければなりません。優勝者の賞金はなんと30万ユーロ(日本円にすると、3000万円以上です)です。ざっと説明するとこんな感じなんですが、、今までこの番組に興味をもったことがなく、イギリスでもイタリアでもしらんぷりしてました。ところが今回途中からは見てしまったんですね。それも理由はひとつだけ。参加者のひとりに日本人とイタリア人のハーフ(お母さんが日本人)の男性がいたのです。名前はアンドレア・コッコさん。ローマ出身ですが、この番組に参加が決まる前はモデル&PRとして香港に住んでいたそうです。それ以前はパリ、NY、東京など世界の都市を転々としていたとのこと。

初めて彼を見たときは、「かわいい!」と思いました。(私の7歳年下だけど、なんかペ・ヨンジュンに対するおばさん目線そのものだったかも・・・)その後、彼の行動や言動に対して「控えめだけど賢くて理性的、穏やかだけど率直」という好印象をもつようになった。ルックスも内面もイタリアと日本のいいとこどりみたいな人です。わたしの息子と同じ名前なので、感情移入はかなりあったと思いますが・・・。しかし、彼は絶対こんな野蛮な番組で勝ち残れないに決まってる、と私は思っていました。というのも、この番組は、目立ちたがり屋、自惚れや自我、個性の強い人が多くて、アンドレアのような好青年タイプは、とかく存在感が薄くなってしまう。(というか、だいたい彼みたいな知的で繊細な人は、この番組に応募してこない、、、ものだと思っていた。)

この番組、日本だったら1時間もしないうちにテレビ局に苦情が来るのでは、と思います。とにかく、なんでもありなんです。ひどい喧嘩なんてしょっちゅう、陰口も頻繁、恋人同士になるのも日常茶飯事、失恋もあり、お色気満載のシャワーシーン(水着着用ですが)もあり。それはもちろん勝ち残る為の戦略でもかまわないのです。プライバシーは全くなく、会話も全て聞かれているし、毎日の生活で同じ人間しかいない、TVもラジオも情報網は一切なし。世の中で何が起こってるのか?なんて知る由もなし。(東北の地震は、特別にアンドレアが日伊ハーフということで、外部から知らされました。)でもって、スキャンダラスなものは何でも視聴率アップの為に番組に持ち込み、参加者を巻きぞいにする。そして、アンドレアも途中その餌食になりました。彼の2年越しのガールフレンドが実は他の男性とも半年間付き合っているという私生活のゴシップまでTV中継される破目に・・・。そんなこと想像もしていなかった彼は、あまりのショックに落ち込み、涙、涙の毎日、でも徐々に立ち直り、最終的には新しいガールフレンドまで獲得しました。

なんて色々だらだら書きましたが、実は嬉しいことに、彼が今年の優勝者になったのです!私からみた彼は、常に礼儀正しく、育ちの良さが滲み出ていて優美、理知的かつ情熱的、そして他人を思いやる心をもった優しい紳士。「完璧な男性」なんて言われてたこともありましたが、人間完璧な人なんていません。欠点も含めて、彼にとても親近感を抱きました。イタリアの視聴者も今回はちゃんと見る目があったのねぇ・・・と正直なところ思っちゃいました。

彼は、イタリアで生まれ育っていながらも、お母様の祖国日本についてかなりの知識を持っていて、日本人の文化や習慣もよく理解しているのです。日本語も堪能、日本語の読み書きも実は出来るのではないか?と想像します。そういう彼の姿をテレビを通して見ていて、私はとても感心しました。私の息子アンドレアも今年から「ひらがな&カタカナ」を自宅で暇な時間に楽しく勉強中。日本語を話せるだけでも素晴らしいですが、読み書きも出来れば日本語の本も将来読めますし。世界がもっと広がるのでは、と希望をもっています。

入居する直前のアンドレア

日が増すごとに、痩せていった

PS 話は変わって、今更なんですが最近みた日本映画「東京タワー、オカンとボクと時々オトン」は久しぶりに大好きな映画でした。途中から涙が止まらず、見終わった後もずうっと余韻にひたっていました。樹木希林とオダギリジョーが絶妙の相性。

 

 

 

 


チルコ

2011-02-22 | イタリア

 

「チルコ」とはイタリア語でサーカスの意味なのですが、私自身、日本ではあまりサーカスってみかけませんでした。最近は、現代サーカスの代名詞みたいになっているカナダの「シルク・トゥ・ソレイユ」が日本では大人気のようですね。イタリアでは、古いタイプのサーカスが未だに健在のようです。大きい都市から地方の町にまで色々なサーカス団体がやってきます。イタリアだけではなくて、ドイツからも来たりします。先日まで、この町にもドイツからのサーカス団がたくさんのキャンパーでやって来て、4、5日くらい滞在してました。わたしはあまりサーカスに興味がなかったのですが(というか一度も行ったことがないのです)、イタリアではサーカス団がたくさんのキャンパーで移動してきては去っていき、また来月には違うサーカス団がやってくるという感じです。ここは特に小さな町なので、子供たちも近くに楽しい場所がそんなにないので、親もそれを承知で、子供たちを連れて行くというのが常みたいです。わたしは、動物の曲芸を見ることに違和感をもってしまうので行きません。近年では、サーカスで動物を使うのを制限している国も多いとのことです。イスラエルでは、2009年からサーカスでの動物の使用を一切禁止したそうです。以前イタリアのTVで、とあるサーカスで動物たちがひどい扱いを受けてる姿を見ました。それからは、どうも不信感のみが残ってしまいました。もちろん全てのサーカスがそうだとは思っていません。しかし、現代では動物を人間の娯楽に使うことに、世の中の非難が大きくなっているので、サーカスも今後はもっと新しい感覚を取り入れて、動物を使用しない娯楽にしないといけないのかも知れませんね。「シルク・ドゥ・ソレイユ」は動物は一切なしのサーカス風の芸術エンターテイメントと聞きましたので、見てみたいです。

ところで、サーカスの歴史を調べてみたところ、現在の動物の芸や人間の曲芸が見世物として成立したのは古代エジプト時代であり、それらを円形の劇場において実施するという形態が取られ始めたのが古代ローマ時代とされています。近代サーカスの原型は1970年イギリス人によって確立されたとのことです。その後、ヨーロッパ、ロシア、アメリカに拡がりました。日本では、初めて海外のサーカス団が来日したのが1864年、1886年にはイタリアのジュゼッペ・キアリーニ率いるサーカス団が来日しています。日本ではチャリネ座と言われていました。この公演に強い衝撃を受けた五代目尾上菊五郎は『鳴響茶利音曲馬』という猛獣使いなどが登場する歌舞伎を上演しています。日本人のサーカスとしては、チャリネ座から名前をとり、1899年に設立された「日本チャリネ座」が最初であるとされています。

上記のジュゼッペ・キアリーニさんという人は、サーカスの歴史には欠かせない人物のようです。19世紀の最も優れたサーカス監督と言われています。キアリーニさん率いるサーカス団は、世界中を旅し、はるばるオーストラリアやアジアの国々も訪ずれています。世界中の君主にも招待され、サーカスの芸を披露しています。日本では横浜を皮切りに、長崎、神戸、京都、大阪、東京を公演しており、東京公演は明治天皇と皇室のために行われました。明治天皇はサーカスを観賞したのは初めてでもあり、このときにキアリーニさんに5000ドル分の金をプレゼントしたという逸話もあります。日本公演は大成功を収めました。このサーカス団は、とても国際色豊かだったようで、色々な国からの芸人や音楽家の人々が海外公演の為に、一緒に旅をしていたようです。キアリーニさんは、(明治時代にして)世界中を旅する旅人でもあったのですね。なかなか興味深い人です。

現在のイタリアで一番有名なサーカス団は「モイラ・オルフェイ率いるサーカス団」です。モイラ・オルフェイという女性、1931年生まれで、今年80歳になろうとしていますが、イタリアではとても有名です。サーカスを率いてるだけではなく、以前は女優として映画等にも多く出演していたらしいです。何と言っても、彼女の出立ちがとても個性的なので、一度見たら絶対に忘れません。テレビにも時々出演したりしてますが(もちろんサーカスの宣伝にもなりますし)、まるで蝋人形のような顔・・・・インパクトがありすぎて、すごく宣伝効果もあります。彼女はもともと歴史あるサーカス一家に生まれているようなので、生まれも育ちもエンターテイメント!女優とサーカスの主と二足のわらじを履いている人、エキセントリックなキャラクターもまた、イタリア国民に愛されているようです。

サーカスっていうと、なんとなく古びたような過去の娯楽に聞こえますが、イタリアではまだまだ生き延びていけるのかもしれません。やはりこの国で築き上げられた伝統でしょうか?

 


ナポリのゴミ

2010-11-28 | イタリア

ナポリといえば、美味しいピッツァや素晴らしい景観が有名ですが、今ナポリといえばゴミの問題です。数年前から、このゴミ問題はイタリアのニュースで頻繁に取り上げられていますが、今年に入ってからも再びナポリ周辺で、ゴミ処分場不足などから大量の家庭ゴミが路上などに放置される状態が続いています。観光地として有名なナポリも、これでは観光客も逃げて帰ってしまうような状況です。現地を視察をした欧州委員会の調査団は今月22日、イタリア政府の対応が不十分だとして、約束していたゴミ処理施設建設資金1億4500万ユーロ(約165億円)の拠出を凍結すると発表しました。

ナポリでは2、3年前からゴミ処分場が満杯になり、街にゴミがあふれ出しました。2008年5月にベルルスコーニ政権は5カ所の新しいゴミ処分場建設を打ち出して事態の収束をはかりましたが、稼働した2つのゴミ処分場ではゴミが分別もされずに、有害なゴミもそのまま埋められたことなどから、近くの住民はゴミの悪臭や汚水に悩まされ、健康も害しているとして、新しく建設予定のゴミ処理場には反対しています。次第に住民の怒りや不安が限界に達し、10月下旬にはゴミやゴミ運搬車が放火され、警官隊と衝突する暴動にまで発展しました。現在でも、ゴミ焼却施設や埋め立て地を新しく建設する計画に対しては、住民の合意が得られない状態が続いています。

このゴミ問題は、ナポリだけでは解決できるはずがなく、イタリア全体の問題と化しています。現時点では、この溢れかえっているナポリのゴミを、他の州に合意の上で、移動して処理する予定になっています。いくつかの州は、前向きに考えているとのことで、一時しのぎとしては、どうにかなるかも知れませんが、解決にはなりません。

とにかく、ニュースや写真で現状を見ると、信じられない光景です。その上、悪臭が漂っていると思うと、悲惨です・・・・・

このゴミ問題は、実は10年も前から始まっていたようです。しかし、内情はとても複雑で、地元のマフィア(ナポリではカモーラと言いますが)が、ごみビジネスにも関わっていることもあり、単純に解決できる問題ではなさそうです。現在、回収されずに放置されていているゴミは1万トン以上です。

「ナポリを見てから死ね」という言葉がありますが、以前の美しいナポリにはいつ戻れるのでしょうか?ナポリのゴミ問題から、イタリアはヨーロッパのゴミになる日も近い・・・なんて言われてますし。ナポリ市民、そして周辺の住民が本当に気の毒になります。これを機に、イタリア全土で、人々がもっと環境問題に真剣に取り組み、ゴミもきちんと分別して捨てれるような日が近くなればいいのに、とも思いました。