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((( Barbacrea )))

ロンドン生活を経て、南イタリアのちっちゃな田舎町に移住。

チッチョーネ

2010-03-16 | イタリア

イタリアは、ヨーロッパでも一番を争う肥満児大国。日本にいるとあまりそういうイメージはないかも知れませんが、おデブちゃん(チッチョーネ)がとても多いです。一番驚いたのは、知っている男の子(8歳)が、だいぶ前から既に体重50キロ超。えー、50キロって言うと、日本だと痩せてる女性がこれ位の体重ですよね?昨年の夏、ビーチで走っている姿を見たとき、お腹と胸の揺れがあまりにもすごくて、目が釘付けに・・・。この男の子はいつも片手にポテトチップスを抱えているような印象で、、、家でも揚げ物中心の食生活とか。このまま成長し続けると、どうなってしまうのか?

イタリアでは日本に比べて、外で元気に遊んでる子供たちが少ないです。学校が終わると、家に帰っておやつを食べて、TVを見て過ごす子供たちが多いと聞きました。イタリアの子供達は”TVを見すぎ”とも言われていますが、そのTVでは子供向けのお菓子類のコマーシャルがやたらと多いのです。スポーツもしてる子はしてるけど、しない子は全くしてません。日本の学校のように体育の授業も存在しません。放課後に、サッカーやダンス教室へ行ったり、水泳を習っていたりする子供たちはいます。うちの息子も一時期水泳教室に行っていましたが、あまり好きではないらしいので止めました。水泳は、体の全ての筋肉を使うので、体作りには一番いいと言われているので人気があります。うちの息子は私に似て「やせっぽち」なので水泳で体ががっちりするのではないかと期待していたのですが、ダメでした(笑)!

 ま、そんなこんなで、肥満児が多いイタリアですが、最近東欧でも肥満児が異常に増えているという記事を読みました。冷戦後にファーストフードが増加して定着してしまった結果だと書いてありました。ルーマニアでは低所得層ほどファーストフードを食べる率が高いそうです。イタリアも似てると思います。ファーストフードは安いし、子供が好きだし、お腹一杯になるし、誰も料理しなくて済むし、、、。ぽっちゃりな子供は可愛いけど、あまり大きすぎるのはやはり心配ですね、健康面で。数年前の調査だと、イタリアの肥満児率は36%になっています。肥満児とは身長に対して適正な体重より13キロ以上オーバーしていることだそうです。

 昔、貧しい時代は、太っているのは「豊かさの象徴」なんて言われてましたが、今や社会問題となりつつあります。しかし、ここでは子供がスリムだと「食べてない」と勝手にみなされ、「ちゃんと食べなきゃダメよ~」なんて言われることがあります。よく食べて、よく動いて、よく寝る子は太りにくいと言われているのに・・・それに食べる量ばかりではなく「何を食べているのか」も大事なのに。太っている子供には「えらいわね、ちゃんと食べてるのね、大きくなるわよ!」という感じです(笑)。こういう大人は、栄養に関する知識がないのだと思いますが。 皮肉なことに、イタリアはスローフード発祥の地でもあるのに、肥満大国でもあります~。

余談ですが、うちの旦那が、先日ロンドンからイタリアのバーリに飛行機で帰ってきたとき、小学生(イタリアの)の団体とフライトが一緒だったそうです。その時、「一人を抜かして、ほぼ全員肥満児に見えた・・・」そうです。まさか、小学校ダイエット企画旅行でもあるまいし。これは結構重症ですよー、南イタリア!

日本人(一般的に)は逆に、イタリアに来ると、どうしても貧相に見えてしまうんですよね(自分も含め)、やはりアジア人は欧米人に比べて体の骨格が華奢です。

ここでは、子供の平均体重・身長という数字自体聞いたことないし、みんなそういう話も全くしません。太ってても、痩せてても、健康だったら問題ない!と言ったところでしょうか?


猫の日・・・

2010-03-02 | イタリア

日本の「猫の日」は2月22日らしいが、イタリアでは2月17日となっている。この日になった由来を知りたい方は、こちらのサイトへhttp://sankei.jp.msn.com/world/europe/080217/erp0802170302000-n1.htm

この「猫の日」のちょっと前に、国営TVの人気料理番組でレギュラーのおじいちゃんシェフ兼料理ジャーナリスト(77歳)の発言が問題となり、イタリアではちょっとした大騒ぎになった。というのも、このおじいちゃんは、「昔(1930~1940年頃)猫肉を何度も食べたことがある。猫肉を美味しく料理するには川の湧き水に3日間浸しておくといい」と生中継で言ってしまった。その後、動物愛護団体等からの猛抗議により、彼はこの番組から降板となりました。イタリアでは、他のペット同様、猫も法律で保護されている動物とのこと。インターネット上では、このおじいちゃんの発言で大論争となり、賛否両論みたいです。 わたしは、猫も犬も大好きだし、動物の中でも一番身近な存在。もちろん食べてみたいとは思いませんが、昔貧しい時代には、どこの国でも色々な動物が食用として食べられていたのだと言うことは、聞いたことがあります。ただ、そういう事実のみを話せばよかったのに、どんなに美味しいか!というような感じで話してしまったので、こういう事態になってしまいました。おじいちゃん、すこし調子に乗りすぎてしまったようです。最終的に、猫肉を推奨してしまった形になってしまったんですね。

イタリアでは、各地で色々な動物の肉を食べる食文化があります。例えば、馬肉、ロバ肉、いのしし肉などなど。うさぎの肉は、普通にスーパーに売ってたりしますから・・・馬肉に限っては、ヨーロッパ(フランス、ベルギーを筆頭に)では、ごく一般的に食用とされているらしいです。地域的な差はあると思いますが。

 ところで、「猫の日」で、このおじいちゃん料理人の話題が先行していたイタリアですが、それとは別にショックな記事を見つけました。3年前の記事ですが、その年の「猫の日」にローマで動物愛護団体が主体となって「黒猫の日」のイベントが開かれたそうです。黒猫はヨーロッパではかつて不吉の象徴と言われたり「悪魔の手先」などとされていた時代もありました。しかしイタリアでは現在もそういう迷信を信じている人が多く「黒猫は縁起が悪い」という理由で黒猫の殺害が横行しているそうなんです。これを聞いただけでも、かなりの驚きとショックだったんですけど、その動物愛護団体AIDAAによると、同国内では前年1年間に推定6万匹の黒猫が殺害されたという。(えーーー、、、そんなに・・・絶句。。。。)それにしても、どうやってこの推定の数字を出したんでしょうね。この動物愛護団体は、2007年の2月17日(たった数年前の出来事です・・・)国内200カ所に情報センターを設置し、道行く人たちに黒猫に関するチラシを配ったり、嘆願書への署名を募ったりしたそうです。同団体は、愛猫家として知られるローマ法王ベネディクト16世あてにも、支援を求める書簡を送りました。

この記事の方が、正直なところ私はショックでした。21世紀にもなった現在、こんなことがこの国で起きているとは、信じられないです。うちの近所には黒猫が何匹もいて、のんびりと散歩しているのを見かけるので、ここら辺の人々は、こういう迷信を深く信仰していないようです。(それが当たり前だと思いたい。)どうも、少数派(だと良いが)のカルト宗教団体がこの「黒猫狩」にかなり関わっているとの噂もちらほら。それにしても、考えるだけで恐ろしいです。この国の法律で猫は保護されているはずなのに、、、こういう現状です。日本では、黒猫は縁起が悪いどころが、どっちかというと縁起がいいと言われていますよね?日本に生まれた黒猫ちゃんは、それだけでも幸運でしたね。 (と信じたい。)


役者さん

2010-02-27 | イタリア

ここイタリアに来てからというもの、好きなイタリア人俳優にめぐり会っていません。ドラマや映画でたくさんの俳優を見ていますが、どうも「この人!」っていうのが居ないんです。ヨーロッパでは結構有名なセクシー女優モニカ・ベルッチも、あまり好みではありません。どうも彼女の雰囲気と話し方が好きになれないのです。美しいとは思いますよ、でも人それぞれ好みがありますし。あと有名どころのイタリア俳優だと「う~ん、誰だろう?」って考えてしまうほど。男性俳優もカッコいいなぁと思うのは時々いるのだけど、ファンにまでは全然なれない。

と、そこで1人女優さんを思い出しました。日本にいるときに見た映画で気になっていたイタリア人女優、ラウラ・モランテです。現在、53歳になりますが、私にとって「とても美しい人」です。外見だけではなく、知性もそなえた演技派で、イタリア語以外にもスペイン語、フランス語が堪能。他のヨーロッパ諸国の映画にも出演していています。知的な色気があって、かっこいいです。主な作品としては「僕のビアンカ」「息子の部屋」(伊)「厚化粧の女」(仏)「ダンス・オブ・テロリスト」(スペイン・米)「リメンバー・ミー」(伊・仏・英)、最近では「モリエール・恋こそ喜劇」(仏)。数年前にランコムの広告にも登場していました。ランコムのポスター上の彼女は、わたしには別人に見えましたが、、、、いつもの彼女の方が素敵です。

ところで、イタリアでは知られた市川純さんという女優さんがいます。去年(一昨年かな?)イタリアの人気サスペンスドラマ「RIS:5」(RISとは科学捜査研究所のことです)に主役級で出演していました。初めて見たときは、日本人かどうか?はピンと来なかったけど、ドラマの中で普通に日本語を話してるシーンがあったので、「日本語がきちんと話せる女優さんだ」と思い調べてみたところ、彼女の生まれは熊本県ですが、8歳の時に家族と一緒にローマに移住したということです。なので、日本語もイタリア語も堪能。他に英語とフランス語も話せるそうです。イタリアでは映画や舞台にも出演している実力派です。今後、日本の映画等にも出演して欲しいなぁと思いながら、密かに応援しています!

 

 


小学校事情

2010-02-18 | イタリア

昨日から喉が痛いです。わたしは、喉が弱い質で、風邪の兆候はいつも喉からです。今日は朝から"のど飴”と"ホットはちみつレモン"の繰り返し。イタリアでは、アンチョビーが喉にいいと言われていますが、ずっと口に含むのには向いていないので避けました(笑)。

ところで、昨日は、息子の小学校入学の為の手続きをして来ました。イタリアでは他のヨーロッパ諸国と同じく、全ての学校が9月始まりです。今年の1月末までに5歳になった子ども9月から小学校に進みます。ここの小学校は日本と違い、2つのコースがあり、親が好きな方を選びます。ひとつは週30時間(午後1時すぎ終業、給食なし)そしてもうひとつが週40時間(午後4時すぎ終業、給食あり)になっています。イタリアでは週27時間というのが義務教育の授業時間だそうですが、何故このように分かれているのでしょうか?理由はわかりませんが、幼稚園は午後4時に終わるのに、小学校にあがった途端、午後1時すぎに学校から帰ってくる子ども達が多いのです。(その分、家での宿題は多いと聞きますが)

私は、ほとんどのお母さんたちは40時間を選択するのだろうと想像していましたが、実はそうでもないのです。都会だと仕事を持っているお母さんたちが多いので、週40時間のクラスが人気で定員オーバーになるケースがほとんどと聞きましたが、ここは田舎町なのでちょっと様子が違います。お母さんたちは専業主婦が多く、家事以外は自由な時間ですから、子どもが1時すぎに帰ってきて家で一緒に昼食を食べるのが好ましい、と考えている人も少なくないです。所変われば、考え方もかなり違いますね。

内輪の話ですが、息子のいとこは同い年で同じ幼稚園に通っていますが、給食は食べずに午前中のみ(昼12時すぎには家に帰る)の通園をしています。理由は、うちの娘は幼稚園の給食が嫌いだから・・・です。こういうイレギュラーなケースが色々とあるので、本当に"人それぞれ"なのです。                                 

小学校の手続きをする時も、義理姉は、申請用紙の目立つ所に "娘をこの先生のクラスにして欲しい"という意味で先生の名前を鉛筆で大きく書いていました。その前に校長先生に1年生を担任する先生の中に、この先生がいるか?って直接口答で問い合わせてましたが、答えはもちろん「わかりません」でした。彼女は、現在小学校に通っている長女(今年卒業する)の担任の先生をとても気に入っていて、その先生が9月からは1年生のクラスを持つだろうと推測しています。先生の名前を書いても、その先生になるという保証はないわけですが、もしかしたら親が担任の先生を選べるかも知れません。もし違う先生が担任になったらどうするの?と聞いたところ、その先生のクラスへ編入願いを出せばいいだけ、と言ってました。日本でも、こういうことは見えないところで起こっているんでしょうかね?私は全く想像もしていなかったことなので、ちょっと驚きました。義理姉は、教育熱心なので、勉強を一番に考えて、の行動だと思います。自分が欲しいものは、ただじっとして待っていないで、色々な行動に出るという姿勢、私には決定的に欠けています、、、それに欲求の度合いも違いすぎる。

今年の水瓶座は、「欲求の多い年になりますが、全てを手に入れようとすると、全てを無くす」と書いてありました。どっちみち、あまり欲のない私には関係なさそうです。 


盗難文化財?

2010-02-17 | イタリア

ここイタリアでは、ドライブ中に外の風景を何気なく見ていると、何やら道路脇に発掘現場らしきものを、しばしば見かけます。だいたいが工事中に遺跡の一部などが見つかり、その工事や建設計画は一時中断され発掘作業へと変わるようです。(この中断が期間的にどの位になるのか、それは遺跡規模等にもよるのだと思いますが、実際のところ私は知りません。)聞くところによると、工事や建設が中断されると面倒なことになるので、敢えて外部には情報をもらさず、そのまま工事を継続してしまうケースもあるとのことです。でも小規模な発掘現場は、特に立ち入り禁止と書いてあるわけでもなく、私が見かけた時は作業を行っている人もいなく、ただの空き地みたいな感じで管理されてました。もう掘り終えたのでしょうか?それとも、このような遺跡が頻繁に出てくるので、あまり重要視もされていないのかも知れません。

お金になるような出土品を求めて、遺跡や墓跡などを故意に探しているトレジャーハンターなどもいるようです。以前、友人が「ある人が古代ギリシャの壷を見つけた」とか、「あの人はトレジャーハンティングをするための機器を購入した」とか言っているのを聞いたことがあります。イタリアでは発掘された出土品(国の文化財と見なされる)は全て政府の所有物となっているので、政府に提出しなければいけません。発掘したものを隠しておくことは、違法になります。が、、、ここはイタリア、見つけたものを個人で所有している人も多いようです。知人の家(特に畑等の土地を広大に持っている人など)で、出土品らしきもの(私が推測するには・・・)が壁にさりげなく飾られていたりするのです。(多分こういう人達は、自分の敷地の土を掘っていて偶然に見つけたりするのでしょう。)

まぁ、そういう規模の小さな出土品は措いといて、大きな問題となるのは重要文化財とされるもの。例えば、2009年6月、古代ローマ時代の大理石レリーフ(上の写真)が日本人収集家への売却寸前に、盗掘品としてイタリアの警察によって押収されました。そのレリーフは、2世紀ごろの作品で、なんと重さ1.5トンもあり、50万ユーロ(約6,600万円)で売却が予定されていたもの。そのレリーフは、発掘した農家が、売却先を探している数ヶ月間、隠していた模様。ここまで大きくて貴重な文化財となると、足が付かないように売却するのは、かなり難しいのではないでしょうか。イタリアには、カラビニエリという(日本語でいうと警察軍)第4の軍隊(陸軍、海軍、空軍に次ぐ)の中に、特殊師団として美術遺産保護部隊というのがあります。この部隊の活動の主は、イタリアの財産である、美術品、工芸品を保護することです。第二次世界大戦後の混乱に乗じた美術品の盗難や密売に対する取り締まりから始まり、現在でも特殊な訓練を受けた人員を使った美術品保護、主として密輸出取締りや窃盗事件捜査は、内外から高い評価を得ているとのことです。(2009年、イタリアの警察は、約6万点もの芸術作品や考古学的に価値のある出土品を取り返しています。)

イタリアの盗難文化財に関する近年のニュースとしては、2006年、ニューヨークのメトロポリタン美術館から古代ギリシャの壷(紀元前515年頃のもの)等6点を返還してもらいました。これもローマ近郊で盗掘されたものであり、1972年にメトロポリタン美術館が100万ドルで購入していたものだそうです。2007年、ロサンジェルスのゲッティ美術館がギリシャ神話の女神「アフロディーテ」像(紀元前5世紀)を含む42点もの美術作品の返還に合意しました。これらの作品は、当美術館が仲介業者を通して1988年に購入したとされているが、イタリアはシチリア島のギリシャ遺跡から違法に持ち出されたと主張しており、同美術館の元学芸員やイタリア人古美術商が罪に問われ、古美術商は10年の禁固刑を言い渡されたとありました。その時の公判で、実は日本の美術館にも盗掘品があるとイタリア側が指摘していました。滋賀のMIHO美術館所蔵の古代ローマの彫像やフレスコ画50点につき盗掘品で密輸されたものと主張しています。その他の美術館からも、多数の美術品が返還されています。

このような美術品の返還要求は、1970年のユネスコ条約(文化財不法取引を禁止する条約、日本は2002年に締結)を根拠としているそうです。

イタリアは歴史的文化財の宝庫ですが、それを守っていくことは国にとってかなり重要な責務だと思われます。(歴史・芸術的価値はもちろん、現実的に考えるとイタリアの豊富な文化財は国にとって大きな収入源であるということ。これは誰もが知っていることだと思う。)しかし近年、イタリアでは、財源確保のために国有文化財の一部が民間に売却可能となり、これを問題視する声が多く上がっている。簡単に、そして大げさに言うと、 国の財源が危ない時は、ローマのコロッセオさえ売却可能ということになるのでしょうか。短期的に財源は潤うかも知れませんが、長期的に見たら大きな損失になり兼ねないと思うのですが。歴史的文化財というのは、どの時代においても国の政治に翻弄される運命のようですね。

今回、イタリアの盗難文化財について色んな記事を読んでみて、とても面白かったので、機会があったら日本の盗難仏像についても調べてみたいです!海外に密輸されてる仏像さんも多いみたいですし、、、