先週、私たちがこの家に住み始めてから、初めてお泊りのお客さんが来ました。こんな遠い辺鄙な町には、あまり誰も来てくれないのですが、彼らは以前ロンドンに住んでいた夫婦で、現在はソレントというアマルフィ海岸にある町に住んでいます。ここから2時間ちょっとでしょうか?2泊の予定で遊びに来てくれました。うちの息子は、先日まで熱があって元気がなかったのに、お客さんが来たら、急に元気になってはしゃいでました。
2日目の朝は、天気も良かったので、近くにあるマテーラという街に案内しました。ここはサッシという洞窟のような住居がある旧市街地が有名です。この住居は凝灰岩というもろい質の岩に穴をあけて作られたもので、昔長い間は貧しい人達(小作農民)の住居でした。(歴史を遡ると、ここに人が住み始めたのは8世紀以降で、彼らはイスラム勢力を逃れたキリスト教の修道僧たちだった、とも言われています。)第二次世界大戦後、一時は廃墟となりますが、1970年代に建築学上貴重だという声が高まり、1993年には世界遺産にも登録され、徐々に改修工事され保存されるようになり、人々もこの地区に戻り始め、現在では、その洞窟住居を改装したホテルやレストランも目立ちます。
最初の1時間くらいは、お日様も出ていて散歩していても気持ちよかったのですが、徐々に雲行きが怪しくなり、雨が降ってきてしまいました。傘も車に置いてきてしまったので、歩くには雨がちょっと不快に感じるように。仕方ないので、新市街まで歩いて戻り(地図なしで戻るのも一苦労、、、ここは道も狭くて迷路のような地域です。)、パン屋でフォカッチャ(ピッツァパンのようなもの)を買って食べながら雨が止むのを待ちましたが・・・・結局天気はよくならず、そのまま近くのカフェで一休み。そうしている間に午後1時に。イタリアは午後1時から5時まで、ほとんどのお店が閉まってしまうので、街の中心地には人々がいなくなり空っぽになってしまいます。それに、この夫婦の奥さんは、ただ今妊娠中で1月に出産を予定している身なので、歩いていても途中で疲れやすく辛そうなときもあったので(でも本人は雨さえ降らなければ歩きたがっていた)、ちょっと心配になり、その後は私たちの家に戻りまた一休みして、暫くしてから今度は近場に外出しました。
その日の夜は外食せず、家で夕食をとることにしました。でも、夕食は私たちが料理する必要もなく、お客さんである彼の方が腕をふるってくれました。何とも有難いことです。メニューは、キノコ(カルドンチェッリという、ローカルきのこ)のクリーム和えパスタと、子牛のレバーと玉葱のハーブ炒め煮、そして2種類のソーセージをグリルしたもの、それとフィノッキオとチコリのサラダです。彼はとても料理上手な人らしく、どれもとても美味しかったです。
この3枚は、マテーラで撮りました。こうやって写真だけ見ても、とてもユニークな街ですね。なんか奇妙な感じさえします。
一番右の写真は、バロック建築のプルガトリオ教会ですが、近づいてみると一瞬ギョッとしますよ。この木製の扉には、頭蓋骨の模様があり、教会の外側のあらゆる所に頭蓋骨や骸骨のデザインが施してあります。この教会は通称「死者の教会」と言われているようで、死がモチーフになっているそうです。死者の魂に捧げられた教会とでも言うのでしょうか?建てられたのは、1726年から1747年となっています。中に入ってみたかったのですが、あいにく扉は閉ざされていました。次回、開いてたら是非入ってみたいです。扉を近くで見ると、こんな感じです。(下の写真)