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((( Barbacrea )))

ロンドン生活を経て、南イタリアのちっちゃな田舎町に移住。

精神病院のない国

2010-01-17 | イタリア

「La Meglio Gioventu」(邦題:輝ける青春)という映画について先日書きましたが、その映画の中で精神病及び精神病院がとても重要な意味をもって出てくるのですが、この映画を観た後に初めて知った事実がありました。それは"イタリアは精神病院をなくした世界唯一の国”だということ。これは私にとっては 目から鱗が落ちる でした。

始まりは半世紀も前に、フランコ・バザリア  Franco Basaglia(1924-1980)というイタリア人精神科医が「精神病院は治療に不適切、患者を社会と隔離する療法には効果がない」と主張し、イタリアでの精神病治療に大きな足跡を残しました。改革の中心地は、当時バザリア医師が働いていたトリエステという街です。1978年に精神病院をなくすという法律が施行され、1998年末に、イタリア全土の精神病院がなくなったそうです。かつて「狂人隔離の島」と言われた島のひとつ、ヴェネツィアのサン・セルヴォロ島の病院は改装され大学と国際会議場に、一角は精神病院博物館となり、もう1つのサン・クレメンテ島の病院は改装され5つ星ホテルになりました。その後、治療の場は精神保健センターという場に移り、そこでは人間関係の修復・住居の確保・就職斡旋・楽しみの開発なども視野に入れているそうです。
近年イタリアのフランコ・バザリア財団がバザリア学術賞を創設しました。この賞は「申請者の国において申請者の国の言葉で出版する」ことを条件に、研究助成するのが目的で世界中から公募しました。そして2008年第1回の受賞者が日本人ジャーナリストの大熊一夫氏です。その後「精神病院を捨てたイタリア・捨てない日本」というタイトルで出版されました。大熊氏の著作の中には、38年前に自ら精神病患者を装い、精神病院を体験して書いた「ルポ・精神病棟」もあります。日本は先進国の中で極端な精神病院中心主義だそうです。もっと興味のある方は大熊一夫氏のサイトを訪ねてください。http://okumakazuo.com/
精神病というのはとても難解だと思います。だからこそ、周囲の人々の支援が必要なのだと思います。私はまだこの本はを読んでいないので、近いうちに読んでみたいと思います。