片側顔面痙攣とは、片側の顔面筋が、自分は意図していないのに痙攣し続けてしまう病気です。
発症の原因としては、頭蓋内で、脳幹から出る顔面神経が、血管により圧迫されることによって起こるとされています。
-症状-
初めの症状は、上瞼か下瞼の痙攣に始まり、進行すると同じ側の目の周りや口の周りの筋肉も痙攣するようになってしまいます。
口をすぼめたり、口角っを横に引くと痙攣が誘発されます。
いままで顔面痙攣患者を治療してきた経験から、特に有効と感じた治療点や手法、適不適の鑑別点、治療成績などを紹介していきます。また、症例報告として、有効例と無効例をいくつか紹介していきたいと思います。
-鍼治療の適応となるもの-
・入浴中は痙攣回数が減少する。
・本を読む時など、顔が下を向き、後頚部に負荷が掛る時に、痙攣回数が増加する。
・患側の天柱に硬結が認められる。(後頭骨下縁~第2頸椎の高さにあるコリ)
・頸や肩がこると、特に痙攣が起こりやすい。
・リラックスしているときには痙攣が起こりにくい。
上記の特徴がみられる場合は(こちらの方が多数派である)、たとえMRI検査で、顔面神経の圧迫所見が認められていても、鍼治療による改善が十分に期待できる。
-鍼治療の不適応となるもの-
・睡眠中などでも痙攣が止まらない。
・天柱に明確な硬結が認められない。
上記の特徴がみられる場合は、血管による圧迫部で、血管の拍動により顔面神経が刺激され、顔面神経の過敏性が非常に高くなっていることが示唆されるので、鍼治療対象外となる。鍼治療の対象となるのは、この前段階の状態まで。
以上が鑑別のポイントとなります。
-治療点-
患側の天柱硬結・・・低周波鍼通電か単刺雀啄
側頸部の筋緊張・・・胸鎖乳突筋、斜角筋、肩甲挙筋。置鍼か低周波鍼通電
*翳風穴や牽正穴からの顔面神経への刺鍼効果は、顔面痙攣に対しては認めれないため、使用していません。
なぜ頚部の治療で顔面痙攣が改善するのかは、今のところ不明である。しかし、これまで治療してきた、顔面痙攣の診断を受けた患者の中には、神経血管減圧術を受けたにもかかわらず再発した例(1例)や、MRIで神経の圧迫所見が認められない例(2例)、また頸椎ヘルニアの発症と同時に顔面痙攣を発症(画像所見異常なし)した例(1例)を経験してきた。いずれも瞼、頬、口角など、顔面の片側全てにわたり痙攣が認められる症例であったが、画像所見では異常が見られなかった。上記の症例は全て、頚部の治療により緩解に至った。
以上の症例は、頚部の筋群が原因で、顔面痙攣を発症したことが示唆される。
また、その他の患者については、いずれも画像所見で異常が認められ、そのうちの多くは、手術を勧められた患者である。
以上の事は、一部の顔面痙攣は、頸部の筋が主因となっていることが示唆される。また、神経血管減圧術をおこなうと、90%ほどは完治することから、当然、原因の多くは頭蓋内の病変部にあることは明確であるが、画像所見上、血管による圧迫が認められても、多くの顔面痙攣は、頚部の治療により改善が期待できることを物語っている。
頚部の筋、特に天柱部の硬結は、眼瞼痙攣など一部の神経系疾患の症状の消長と相関がみられることから、顔面神経の過敏性に対し、何らかの関与があるのではないかと思われる。
-H21年5月~H24年3月現在の治療成績-(H21年以前の開業前の症例については、手元に資料が無いため統計不可)
寛解・・・12例
無効・・・3例(顔面痙攣症例 無効例参照)
脱落(効果は認められるものの、緩解まで至らず脱落してしまった例)・・・5例
治療中(H24年3月24日現在)・・・4例
発症の原因としては、頭蓋内で、脳幹から出る顔面神経が、血管により圧迫されることによって起こるとされています。
-症状-
初めの症状は、上瞼か下瞼の痙攣に始まり、進行すると同じ側の目の周りや口の周りの筋肉も痙攣するようになってしまいます。
口をすぼめたり、口角っを横に引くと痙攣が誘発されます。
いままで顔面痙攣患者を治療してきた経験から、特に有効と感じた治療点や手法、適不適の鑑別点、治療成績などを紹介していきます。また、症例報告として、有効例と無効例をいくつか紹介していきたいと思います。
-鍼治療の適応となるもの-
・入浴中は痙攣回数が減少する。
・本を読む時など、顔が下を向き、後頚部に負荷が掛る時に、痙攣回数が増加する。
・患側の天柱に硬結が認められる。(後頭骨下縁~第2頸椎の高さにあるコリ)
・頸や肩がこると、特に痙攣が起こりやすい。
・リラックスしているときには痙攣が起こりにくい。
上記の特徴がみられる場合は(こちらの方が多数派である)、たとえMRI検査で、顔面神経の圧迫所見が認められていても、鍼治療による改善が十分に期待できる。
-鍼治療の不適応となるもの-
・睡眠中などでも痙攣が止まらない。
・天柱に明確な硬結が認められない。
上記の特徴がみられる場合は、血管による圧迫部で、血管の拍動により顔面神経が刺激され、顔面神経の過敏性が非常に高くなっていることが示唆されるので、鍼治療対象外となる。鍼治療の対象となるのは、この前段階の状態まで。
以上が鑑別のポイントとなります。
-治療点-
患側の天柱硬結・・・低周波鍼通電か単刺雀啄
側頸部の筋緊張・・・胸鎖乳突筋、斜角筋、肩甲挙筋。置鍼か低周波鍼通電
*翳風穴や牽正穴からの顔面神経への刺鍼効果は、顔面痙攣に対しては認めれないため、使用していません。
なぜ頚部の治療で顔面痙攣が改善するのかは、今のところ不明である。しかし、これまで治療してきた、顔面痙攣の診断を受けた患者の中には、神経血管減圧術を受けたにもかかわらず再発した例(1例)や、MRIで神経の圧迫所見が認められない例(2例)、また頸椎ヘルニアの発症と同時に顔面痙攣を発症(画像所見異常なし)した例(1例)を経験してきた。いずれも瞼、頬、口角など、顔面の片側全てにわたり痙攣が認められる症例であったが、画像所見では異常が見られなかった。上記の症例は全て、頚部の治療により緩解に至った。
以上の症例は、頚部の筋群が原因で、顔面痙攣を発症したことが示唆される。
また、その他の患者については、いずれも画像所見で異常が認められ、そのうちの多くは、手術を勧められた患者である。
以上の事は、一部の顔面痙攣は、頸部の筋が主因となっていることが示唆される。また、神経血管減圧術をおこなうと、90%ほどは完治することから、当然、原因の多くは頭蓋内の病変部にあることは明確であるが、画像所見上、血管による圧迫が認められても、多くの顔面痙攣は、頚部の治療により改善が期待できることを物語っている。
頚部の筋、特に天柱部の硬結は、眼瞼痙攣など一部の神経系疾患の症状の消長と相関がみられることから、顔面神経の過敏性に対し、何らかの関与があるのではないかと思われる。
-H21年5月~H24年3月現在の治療成績-(H21年以前の開業前の症例については、手元に資料が無いため統計不可)
寛解・・・12例
無効・・・3例(顔面痙攣症例 無効例参照)
脱落(効果は認められるものの、緩解まで至らず脱落してしまった例)・・・5例
治療中(H24年3月24日現在)・・・4例