目黒治療室ブログ

当治療院における治療内容や症例報告です。どこそこのらーめん屋さんに行った等の記事は一切ございません。

異臭症の鍼治療

2012年04月04日 | 異臭症
異臭症は、頭部の外傷や風邪などにより嗅上皮に炎症が起こり、嗅細胞や嗅神経に問題が生じて起こるといわれていますが、原因はいまだに不明のようです。
症状としては、「焦げたにおい」や「ガソリンの様なにおい」などを感じます。これらの臭いのほかにも、「なんとも形容がしがたい、今までに嗅いだ事がないような臭い」という方も、相当数おられます。
臭いのおこるきっかけは、くしゃみ、鼻をすする、爆笑したときなどにおこりやすい様ですが、人によっては何もない時にも突然発症する場合もあるようです。
空気が乾燥している時や、飛行機、地下鉄などの乗り物に乗っている時に悪化しやすく、起床時には軽快する傾向があるようです。
また、症状は片側性もしくは両側性に起こります。



-異臭症の鍼治療をおこなうようになったきっかけ-

数年前、首から右手にかけて痛みと痺れを訴える40代男性が私の治療院に来院し、治療を開始することになった。
数回の治療の後、症状が改善し、当時の赴任先であるニューヨークへ戻っていかれた。
その4か月後、2週間の滞在予定で東京に帰ってこられた。ゴルフが趣味で、大会に出るほどの腕前だそうで、身体のメンテナンス目的で鍼治療の依頼があった。
その折に、発作的に異臭を感じる症状があることについて相談されたのだが、当時はお互い病名も知らずに、私などはそのような症状は聞いたこともなかった。
この方は以前にも、ニューヨークの鼻の権威というドクターに相談したところ、鼻中隔湾曲症と蓄膿症があるので、とにかくここを手術すれば異臭の症状も治るかもしれないといわれ、手術を受けたことがあった。確かに鼻自体はすっきりしたが、異臭症は治らなかったと仰られていた。
そして「実験台になるから、いろいろ試してほしい」といわれ、メンテナンス治療のついでにいろいろ試させていただいた。
その後も4か月に1度程度東京に帰ってこられ、2週間程度滞在するあいだに治療をおこなった。

いろいろと試行錯誤している間に症状が軽減してきて、やがて治療点や手法もある程度固まってきた。再現性も得られたことから、これをきっかけに広く異臭症患者を受け入れて治療をするようになった。


当ブログでは、私が実際におこなっている鍼治療の治療点や手法、症例などを紹介していこうと思います。




-鍼治療の治療点や手法-


・天柱(後頭骨下縁~第二頸椎レベルの硬結)・・・右天柱に硬結がある場合は右鼻に、左天柱に硬結がある場合は左鼻に症状が出る傾向がある。
・睛明・・・眼窩に1.5~2センチ刺鍼
・攢竹・・・下方に向け1センチ程刺鍼
・眉衝・・・上方に向け1~2センチ程度刺鍼
・天枢・・・症状が出ている時に、ここを圧して軽減するものは、ここにも刺鍼。
・上星・・・上方に向け1~2センチ刺鍼
・印堂・・・上方に向け1~2センチ刺鍼

*攢竹と眉衝、上星と印堂はそれぞれペアにして、低周波鍼通電をおこなう。


異臭症は、罹患期間にかかわらず、誘発刺激によってのみ発症する患者の場合には緩解しやすく、誘発刺激が無いにもかかわらず発症する患者(こちらの方が圧倒的に多数)の方が、緩解するまでの期間は長くかかる傾向がある。
週1回程度の治療で、3~4カ月程度の治療期間を要す。