好評につき、今年もやってまいりました!
2006.07.09
市馬・喬太郎 二人のビッグショー in 大阪 vol.2
@トリイホール
思い起こせば約一年前、昨年大阪に来たばかりで右も左もわからない中で(今だってわからんけども)、これだけははずせないと、頑張ってチケット押さえて聴いたのが、この会でありました。あの時は、「いいや、ヤリ納めだ、もう来ないだろ、ていうか呼ばれない!」なんてなことも言われてましたが、それどころか、このアウェイの地で二年連続の二人会開催となったのでありました。
会場となったのは今年もトリイホールさん。ここに来るのも昨年の会以来だったのですが、相も変わらず、こぢんまりとして、手作り感のある会場に思いました。整理券配布の11:00少し前には会場に着きますと、既に受け付けが始まっており、すんなりと手続き完了。一桁台の整理券を手に入れ、ありがたく正面の席(昨年より少し前かな)を確保できたのでありました。
というところで、本日の演目です。
阿か枝 「七度狐」
喬太郎 「ほんとのこというと」
市馬 「片棒」
~中入り~
市馬 「夢の酒」
喬太郎 「死神」
最終的な演目名は帰り際に張り出されていたのですけれども、手元に配られたパンフには、その演目名は抜きで出演順だけ書かれてあり、今回は喬太郎師がトリだとわかりました。昨年は中入り挟んだ二席を古典→新作と演じられていたので、今回は逆になるのかな、なんて考えを巡らせつつ、開演を待ちました。
最初の阿か枝さんは、文枝一門の若手の方で、入門十年目だそうです。「阿か枝」の名前は、ご本人が兵庫県明石市出身で、現在もお住まいだから、なのでしょうかね。それはさておき、噺の方は、「東の旅」というお伊勢参りの噺の序盤にあたるエピソードのようですけれども、随所にハメモノの入る上方らしい構成。化かされてるのに呑気に歌う様子が楽しい噺でした。個人的には、昨年同じ会で歌々志さんの噺を聴いた時のような、言葉使いに対する違和感がだいぶ和らいだのかな、とも。
さて、見台やらなんやらが片付いた後は、喬太郎師の一席目。
紫色の着物(新作の時はこれなのかな)だけれど座布団の色とちと違ったからか、その辺には触れられませんでしたが、いつもの通りマクラからの大爆笑。大阪アウェイ・ネタで「今日は探り入れながらいきますよ」なんてなことをいいつつ、グイグイと引き寄せていくパワーを感じました。「天才テポ○ン」てな絶妙の替え歌から、長野のバーで見かけたワケあり風ママの話しで男と女の話題に移り、いよいよ本題へ。
この噺、生でも、CD「SSweb」さんでも、何度も聴いてますけれども、いつも同じところで笑ってしまいます。喬太郎落語固有な濃ゆいキャラたちが織りなす「間」にやられてしまうんではないかと。登場人物同士が直接対話する場合と、片方だけを描写する場合(冒頭ゆみこの挨拶を聞く母や、料理にハシを出すゆみこ、などなど)とが混在してるのも、興味深いところです。それぞれの「ほんとのこと」は、けっこうエグい内容で、その対応もエグいとは思うんですけど、全部この「間」に吸い込まれちゃうのかなあ。そうそう、たまたま前の方の席に座っていた子どもさんを見つけて「この噺やめとけばよかった」と挟んだり、お父さんの乾杯挨拶の最後に「...落語協会新会長鈴々舎馬風に、」なんて付け足したりと、アドリブも活きておりました。
中入り前は、市馬師の一席目。
前回のトリのマクラと同じく、新作を演じた喬太郎師を評して「あんな落語家はいない」。昨年度の芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞を取り上げて「新人賞ですってよ、あのお腹で」なんて言いつつも、「まあ、お腹で賞をいただいた訳じゃないでしょうけれど」と拾ったり。(僕が知ってる限りでは)珍しく長めに喬太郎師の話題を引っ張ったりしながらも、噺の本題へ。
親の心子知らずと、言ってしまえばそれまでになってしまう噺ですけれども、兄弟それぞれの計画が三者三様でもないところが逆に面白いところなのでしょうか。例えば三匹の子豚の家のような三つ巴ではなく、二人の兄の種類の違う浪費と末弟の質素さという一対になっているあたり、盛り上げて盛り上げて落とす、みたいな効果なのかなと。でもその中でも、市馬師の最初の二人の演じ分けが楽しかった。特に長兄の、落ち着いてとんでもないことを言う様子は、市馬師の口調も相まっていい感じ。一方、派手好きな次兄の計画には、市馬師らしからぬオーバーアクション(ご自分で「喬太郎みたい」と)が入ったり、会場が大阪ドームになってたりと、これまた新しい発見をさせていただきましたよ。
さてさて、だいぶ長くなりましたので、この辺でお中入りです。
続きはこちらにて。
2006.07.09
市馬・喬太郎 二人のビッグショー in 大阪 vol.2
@トリイホール
思い起こせば約一年前、昨年大阪に来たばかりで右も左もわからない中で(今だってわからんけども)、これだけははずせないと、頑張ってチケット押さえて聴いたのが、この会でありました。あの時は、「いいや、ヤリ納めだ、もう来ないだろ、ていうか呼ばれない!」なんてなことも言われてましたが、それどころか、このアウェイの地で二年連続の二人会開催となったのでありました。
会場となったのは今年もトリイホールさん。ここに来るのも昨年の会以来だったのですが、相も変わらず、こぢんまりとして、手作り感のある会場に思いました。整理券配布の11:00少し前には会場に着きますと、既に受け付けが始まっており、すんなりと手続き完了。一桁台の整理券を手に入れ、ありがたく正面の席(昨年より少し前かな)を確保できたのでありました。
というところで、本日の演目です。
阿か枝 「七度狐」
喬太郎 「ほんとのこというと」
市馬 「片棒」
~中入り~
市馬 「夢の酒」
喬太郎 「死神」
最終的な演目名は帰り際に張り出されていたのですけれども、手元に配られたパンフには、その演目名は抜きで出演順だけ書かれてあり、今回は喬太郎師がトリだとわかりました。昨年は中入り挟んだ二席を古典→新作と演じられていたので、今回は逆になるのかな、なんて考えを巡らせつつ、開演を待ちました。
最初の阿か枝さんは、文枝一門の若手の方で、入門十年目だそうです。「阿か枝」の名前は、ご本人が兵庫県明石市出身で、現在もお住まいだから、なのでしょうかね。それはさておき、噺の方は、「東の旅」というお伊勢参りの噺の序盤にあたるエピソードのようですけれども、随所にハメモノの入る上方らしい構成。化かされてるのに呑気に歌う様子が楽しい噺でした。個人的には、昨年同じ会で歌々志さんの噺を聴いた時のような、言葉使いに対する違和感がだいぶ和らいだのかな、とも。
さて、見台やらなんやらが片付いた後は、喬太郎師の一席目。
紫色の着物(新作の時はこれなのかな)だけれど座布団の色とちと違ったからか、その辺には触れられませんでしたが、いつもの通りマクラからの大爆笑。大阪アウェイ・ネタで「今日は探り入れながらいきますよ」なんてなことをいいつつ、グイグイと引き寄せていくパワーを感じました。「天才テポ○ン」てな絶妙の替え歌から、長野のバーで見かけたワケあり風ママの話しで男と女の話題に移り、いよいよ本題へ。
この噺、生でも、
中入り前は、市馬師の一席目。
前回のトリのマクラと同じく、新作を演じた喬太郎師を評して「あんな落語家はいない」。昨年度の芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞を取り上げて「新人賞ですってよ、あのお腹で」なんて言いつつも、「まあ、お腹で賞をいただいた訳じゃないでしょうけれど」と拾ったり。(僕が知ってる限りでは)珍しく長めに喬太郎師の話題を引っ張ったりしながらも、噺の本題へ。
親の心子知らずと、言ってしまえばそれまでになってしまう噺ですけれども、兄弟それぞれの計画が三者三様でもないところが逆に面白いところなのでしょうか。例えば三匹の子豚の家のような三つ巴ではなく、二人の兄の種類の違う浪費と末弟の質素さという一対になっているあたり、盛り上げて盛り上げて落とす、みたいな効果なのかなと。でもその中でも、市馬師の最初の二人の演じ分けが楽しかった。特に長兄の、落ち着いてとんでもないことを言う様子は、市馬師の口調も相まっていい感じ。一方、派手好きな次兄の計画には、市馬師らしからぬオーバーアクション(ご自分で「喬太郎みたい」と)が入ったり、会場が大阪ドームになってたりと、これまた新しい発見をさせていただきましたよ。
さてさて、だいぶ長くなりましたので、この辺でお中入りです。
続きはこちらにて。
mixiから参りました。
おしえていただきたい事があります。
「ほんとのこというと」どちらからCDでているでしょうか?
是非購入したいので、おしえてください。
よろしくお願いします。
mixiからお越しいただいたとのこと。
お読みいただいてありがとうございます。
さてさてお尋ねいただいた、
> 「ほんとのこというと」どちらからCDでているでしょうか?
> 是非購入したいので、おしえてください。
ですけれども、ごめんなさい! うっかり勘違いしておりました。
何度も聴いたのはCDではなくて、「SSweb」さんという落語の
ストリーミング・サービス、でありました。
今思えば、「ほんとのこと言うと」が聴きたくてこのサービスに
入ったようなもんで、集中してかなり繰り返し聴いた分、CDに
なってるような気がしてしまってました。申し訳ないです。<(_)>
エントリ本文の方を修正して、リンクを貼っておきました。残念
ながら、もう「ほんとのこと言うと」は公開終了になってますけれ
ども、他にもCD未収録の噺が公開されてますので、もしご興味あれば
というところで。
#なんだか宣伝みたいになってしまった。
今後とも、よろしくです。