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第3話(3)

捕らわれて(3)

 ブリッヂ内には、船長と岡部、甲板手のマルコとコステロの4人がいる。

 ウィングに3つの人影。
フックつきロープを引っ掛けて、登ってきたのだ。
ドアをドンドン叩き、何か叫んでいる。

 ダダッ
自動小銃の一連射、ドアの鍵部が吹っ飛ぶ。
“万事休す!”
「Don’t Fight!」船長が叫ぶ。

 背の高い黒人の若者がAK-47ライフルを腰ダメに構えながら、ブリッヂ内に入ってきた。
岡部らは両手を上げ、抵抗の意志のないことを示す。

 4人を座らせ、携帯電話で仲間と連絡をとっている。
バリ、バリというヘリコプターの爆音が、ブリッヂ内に飛び込んできた。

 「**********************!」
スピーカーで、ヘリコプターから何か叫んでいる。護衛艦のヘリらしい。
海賊の1人が空中に向け、自動小銃を発射した。
もう1人はRPGロケット砲を構えた。
ヘリコプターの爆音が遠ざかる。
射程外から、船の周りを旋回しているようだ。

 頭のはげかかった、目つきの鋭い男が階段から上がってきた。
どうやら、海賊のボスらしい。
船長に命じ、停船させる。
片言の英語と身振り、手振りだ。

 その後、船上のクレーンを使って海賊の乗ってきたボート2隻を、甲板に引き揚げさせた。
「抵抗ナシ、No Problem。お前たち、安全。」
「我々、ソマリア行く、プントランド、イール港。All Right?」


 あたりは明るくなってきた。
船はアデン湾を南下し始める。
護衛艦のヘリは、船の針路を見定めると、引き返していった。

 岡部ら乗組員は、船長室と他の一室に閉じ込められた。
操船の2人だけ、交代でブリッヂに連れて行かれる。

     
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