北村らの遊撃隊は、ラマン近郊のオランダ軍の哨所に攻撃をかけることになった。
哨所は、スラバヤに通ずる街道の側にある。
事前の偵察でわかったことの説明を受ける。
哨所は鉄条網に周囲を囲まれており、中央に監視塔がある。
監視塔の周りには塹壕が掘られ、3丁の機関銃で守られている。
守備兵力は約50人だ。
将校は白人だが、兵士は現地人で、インドネシアのキリスト教徒のようだ。
遊撃隊の人数は30人、武器は三八式歩兵銃と手製の手榴弾だ。
深夜、行動を開始。
村人の案内で、曲がりくねった山道を進む。
目的の哨所の近くまで来た。
ボンヤリとした灯りが漏れ、人の動く気配がある。
道路が夜目に白く浮かび上がっている。
2つのグループに分かれ、2方向から攻撃を仕掛ける。
匍匐前進で、鉄条網の約50メートル近くまで接近し、遮蔽物を捜す。
パン、パン
哨所の灯りが消え、人の動きが激しくなる。
照明弾が上がり、敵の機関銃が火を吐く。
手榴弾が爆発する。
十数発撃ったところで、後退の合図の笛が鳴る。
哨所の制圧が目的ではない。
こちらの存在を示すための行動だ。
遊撃隊の1人が負傷した。
太ももに貫通銃創を受けている。
止血し、村人に一時預かってもらう。
「おい、置いていかないでくれ、頼む!」
「すぐ、担架を持って迎えに来る。心配するな。」
敵の掃討部隊が追ってきたら、どうなるかわからない。
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