gooブログはじめました!

第2話(3)

 アルファ線が反射される!(3)

 2人の開発した装置を下図に示す。

 アルファ線源ABからのアルファ粒子が直接感光板Sに当たらないよう、鉛板Pを設置する。
金属薄膜RRから反射されるアルファ粒子を感光板Sで受け、顕微鏡Mで発光点を観測する。

 「先生、ごく少量ですが反射されるアルファ粒子がありました!」
「金属薄膜の種類や厚さを変えてやってみよう。金箔ではどうかな?」

 数種類の金属薄膜で試みたが、反射される粒紙数に差はあるものの、跳ね返されるアルファ粒子があるという結果に変わりはなかった。

 「アルファ粒子のように重い帯電粒子を曲げるには、強力な磁場が必要だ。」
「金属薄膜の中にそんな力があるとは思えない。不思議だ!」

 ラザフォードは頭を抱え込んでしまった。

 ガイガーらは、さらに実験を続けた。

 そして、厚さ0.4ミクロンの金箔にアルファ粒子を当てたとき、大角度で散乱される粒子数は入射粒子の1万分の1程度であることを確かめた。

 入射粒子一万個のうちの1個を見つけるのである。
ラジウムから放射されるアルファ粒子との、我慢くらべの実験だった。

 ガイガーとマースデンは交代で真っ暗な部屋の中、実験を続けた。
2人の眼は真っ赤にはれ上がってしまった。

 参考図:「こうして始まった20世紀の物理学」、西尾成子、裳華房、1997
     
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「大西洋」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事