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第2話(4)

 紅衛兵(4)

 所長は自己批判文を書かされ、今後、研究所の運営への造反グループ参加を約束した。

 実権派打倒の運動は、その後、ますます激しくなった。
結局、所長は走資派修正主義者として糾弾され、再教育を受けるため、五・七幹部学校に送られることになる。


 弟の京生は、紅衛兵シンパとしての活動が認められ、晴れて紅衛兵になった。
「これで僕も革命戦士の一員となった。」
「僕らの活動は、歴史に名を残すことになるだろう!」

 各地、各学校の紅衛兵は文革を支持し、毛沢東の接見を受けるため、陸続と北京に集結する。
その数は百万人を超えた。

 京生も仲間と一緒に、すし詰めの列車に乗り、胸躍らせ、北京に行った。
京生は、身動きできないほどの人垣の間から、米粒のように見える天安門楼上の人物に向かって、声を限りに叫んだ。

 「毛主席万歳!毛主席万々歳!」

 京生の胸に、紅衛兵の宣誓式での誇らしい気持ちがよみがえった。
「我々は毛主席の指導の下、帝国主義、修正主義、反動派と徹底的に戦うことを誓います。」


 紅衛兵運動をはじめとする、こうした支援を背景に、毛沢東ら急進派は、党中央委員会で主導権を掌握する。

 毛沢東は劉少奇を追い落とし、最高権力を手中に収めたのである。

 参考図:「紅色新聞兵」、李 振盛撮影、リチャード・シュラッグマン発行、
  ファイドン(株)、2005
     
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