〇 フレミングらにより開発されたペニシリンは、化合物による
感染症治療とは別に、 微生物の代謝作用を利用した
抗生物質*による治療の先駆けとなりました。
それらにより、今や病原菌は駆逐された感があります。
しかし、化合物や抗生物質の効かない耐性菌やエイズや
エボラ出血熱などを起こす新しい微生物が出現しています。
人間に病気を起こす微生物との闘いは、まだまだ続きそうです。
〇 微生物というと、病気を起こす細菌やウイルスにばかり
目を向けがちですが、大多数の微生物は人間にとり無害
であるばかりか、大いに役に立っているのです。
・ヨーグルト、チーズ、醤油などの発酵食品を作る
・人間の腸内や皮膚にいて、悪玉菌が広がらないようにする
・洗剤用酵素や染め物に使う
・薬の元になる抗生物質を作る
・動植物の死体を分解し、土に返す
〇 微生物は人類誕生の遙か前、25億年前に誕生しました。
この最も単純で小さな生きものは、その後誕生した動植物と
共に地球上に生き続けてきたのです。
微生物は、我々生きものの先輩として、これからも我々と
共存していく存在だと思います。
*抗生物質:微生物が生産する物質で、微生物の成育を阻止する物質。
病原菌の細胞壁(細菌にはあるが、人間にはない)の合成
を阻害する。
参考図:「ずかん 細菌」、ネイチャー&サイエンス(社)編、技術評論社、2016
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