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英語で読む海戦史(88)

原書は、著名なアメリカの海戦史家Samuel Eliot Morisonの「The Two-Ocean War」です。内容は第2次世界大戦におけるアメリカ合衆国海軍の太平洋と大西洋における戦いを描いたものです。日本との太平洋における戦いの部分に関しては、光人社から「モリソンの太平洋海戦史」(大谷内一夫 訳)として出版されています。あまり知られていない、ドイツとの大西洋における戦いの部分に関して、英語の勉強をかねて読んでみました。

(原文)
Chapter ⅩIII The Navy in the Invasion of France( 1944 )
88.
Consolidation of the American beachhead and the beginning of a massive buildup began on 7 June. Although the troops had scanty artillery and tank support from their own elements that day, they enjoyed ready and accurate naval gunfire support, which frustrated the enemy’s attempts to counterattack. Behind Utah, Generals Barton and Collins devoted their efforts to cleaning out pockets of resistance and the 4th Division extended its line about two miles to the north. Admiral Deyo’s gunfire support group had another busy day; Nevada broke up a troop concentration; Quincy obliged the Army by smashing a few bridges over the Douvres River; Tuscaloosa took on a 155-mm coastal battery near Saint-Vaast which was straddling destroyer Jeffers and which Nevada finally demolished. The same sort of thing went on at Omaha, as the beachhead enlarged.

So well had the airdrops and deception done their work that no German reinforcements reached the American battle area before June 8. By that time, the original defenders had been all but obliterated. These reinforcements afforded the gunfire support ships plenty more shoots during the next six days.
            
(訳)
第13章 フランス侵攻での海軍( 1944年 )
88.
       アメリカ軍橋頭堡の統合と大々的な強化の開始は、6月7日に始まった。  部隊は、所属部隊による乏しい火砲と戦車の援護を当日受けていたが、敵の反撃の試みを挫折させた迅速で正確な海軍の支援砲火を満喫した。  ユタの背後で、バートン将軍とコリンズ将軍は抵抗拠点を一掃するのに努力を傾け、第4師団は前線を約2マイル北に押し上げた。  デーヨ提督の火力支援グループは別の忙しい日をすごした。  戦艦「ネバダ」は敵の集中を破砕し、巡洋艦「クインシー」は陸軍の要求に応じて、ドーヴレス川にかかる2,3の橋を粉砕した。  巡洋艦「タスカルーサ」は、駆逐艦「ジェファーズ」を砲弾で交叉させたサント・バースト付近の155mm沿岸砲に挑んだ。  その沿岸砲を最終的に「ネバダ」が消し去った。  オマハでも、橋頭堡の拡大につれ、同じようなことが行われた。

     空挺部隊と欺瞞工作が自らの仕事をうまくやったので、ドイツ軍の増援部隊は一つとして、6月8日前にはアメリカ軍戦闘地域に到達できなかった。  その時までに、元々いたドイツ軍防衛部隊はすべて消されてしまった。  これらの増強部隊へ、火力支援艦は続く6日間に多大の砲撃を浴びせた。

(注釈)
     戦艦は海戦の主役を空母に譲り、陸上陣地への火力制圧という脇役になった。  それに伴い、艦隊の陣形も変化した。  戦艦による砲撃戦を想定した「縦陣」から、空母を中心とする「円陣」になった。  日本の連合艦隊は空母の重要性を認めつつ、ミッドウエー海戦まで空母を騎兵的に用兵するため、戦艦部隊(主力)の前方に空母部隊を配置した。  ちなみに、本文中の戦艦「ネバダ」は日本軍により開戦当初、ハワイ真珠湾で大破されたが、修理されノルマンディ作戦に参加している。  真珠湾で沈没した4隻の戦艦のうち2隻は引き揚げられ、修理ののち戦場に出ている。
 
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