私はアントニー・レーウェンフック。
オランダのデルフトで呉服商を営んでいる。
我が国は大量の船を持ち、アジアやヨーロッパを結ぶ海上貿易で大もうけをしている。
私の商売も毛織物のアメリカへの輸出で順調だ。
ところで、仕事以外で私には夢中になっていることがある。
ミクロの世界を覗くことだ。
目にははっきり見えない世界を拡大鏡で見ると、驚くような光景が広がっている。
最初は織物の品質を調べるための虫眼鏡を使用していたが、より大きく、鮮明に見るため、レンズを使った顕微鏡を自作した。
改良に改良を重ね、もう200台以上を製作したよ。
今使っている顕微鏡を紹介しよう。
全体のサイズは4センチ×2センチで、手のひらに収まる大きさだ。
金属板の上部に、数ミリほどの球形レンズをはめ込んである。
標本を乗せる先端がついたステージを昇降ねじで上下させ、焦点調整ねじで前後を微調整する簡単なものだ。
やはり、レンズの製作には一番苦労した。
最初はガラス片を研磨していたが、今は細いガラス管を溶かし、球状にした先端部をレンズとして使っている。
2枚のレンズを用いた複式顕微鏡より、歪みの少ない像が得られるのだよ。
参考図:「シングル・レンズ」、フォード、法政大学出版局、1986
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