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第8話(1)

戦いは続く(1)

 連合軍は1944年6月の北フランス侵攻に呼応し、8月15日に南フランスにも上陸した。
この作戦のため、イタリア戦線から7個師団が引き抜かれ、第5軍の兵力は半減した。

 この兵力減少と悪天候も重なり、イタリア半島の付け根を押さえるドイツ軍の防衛線、ゴシック・ライン手前で、イタリアでの戦いは休止状態になった。

 第442連隊は9月6日までに戦線から後退し、再編成に入った。
そして、南フランスで作戦中の第7軍へ配属替えとなった。

 ゴトーは7月に片足を失った後退院し、ナポリの第442連隊兵站部で事務の仕事についていた。

 分隊の仲間が訪ねて来た。
「やあ、元気そうだな。」
「命拾いしたよ。義足になったけど、まあ、サッカーの選手になるわけじゃないからね。」
「我々はまた、戦場送りだ。1年間苦労したんだから、楽な任務につかせてほしいものだ。」
「戦争もそう長くは続かないよ。無事に戻ってきて、一緒に故郷に帰ろう!」

 9月30日にマルセイユに上陸した第442連隊の南フランスでの戦いは、第100大隊のモンテ・カシーノでの戦いと同様、苦しく、出血の多い戦いとなった。

 第7軍は上陸後、弱体のドイツ軍を追撃し、2週間で南フランスを解放した。
しかし、南ドイツとの国境に近いアルザス・ロレーヌ地方に足を踏み入れた瞬間、ドイツ軍の抵抗は激しくなり、険しい地形と相まって、前進を阻まれてしまった。

 第442連隊は前線に送られ、テキサス州兵部隊の第36歩兵師団に配属された。

 戦場のヴォージュ山地は深い森に覆われており、10月には氷のように冷たい雨が降り、霧がよく発生した。
そしてドイツ軍は、自分たちの国に敵を一歩も入れまい、と固く決心していた。

     
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