8.義和団狩り
義和団はバラバラになり、北京より脱出する。
徐は、同じ村出身の仲間と一緒に、故郷を目指す。
途中、鉄路から離れた一寒村に着く。
そこの村長は義和団に同情的だったので、一晩世話
になることにする。
しかし、翌朝起きると、村は官兵と外国の兵隊に包囲
されていた。
密告されていたのだ。
自暴自棄になった仲間の何人かは突破を図ったが、
たちまち撃ち倒されてしまった。
徐たちは村の広場に集められる。
徐は身の危険を感じ、官兵に体当たりを食らわせ、必死に
走り、逃げる。
銃声が追ってきた。
しかし、同時に義和団員たちが四散したため、官兵は深く
は追ってこなかった。
「やっと孫大聖(神格化した孫悟空)が助けてくれた。」
「俺たちは清に裏切られた。 これからは“掃清滅洋”だ!」
北京に戻った西太后は、一転して「改革開放」を目指すも、
「滅満興漢」の流れは止められない。
義和団事件から8年後、皇帝、西太后が相次いで死去する。
それから3年後、辛亥革命が起こり、270年続いた清帝国は
滅亡した。
参考図:「義和団民話集」、牧田英二他編集、東洋文庫、1987