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第4話(2)

 革命の足音(2)

 ラヴォアジエは科学アカデミーの集会の後、会員との立食パーティに参加した。

 「我らが国王、ルイ16世はどうも決断力が乏しい。植民地ではイギリスに敗れ、国の財政難にも手を着けない。」
「我が国もイギリスのように国の制度を改革し、新しい産業を興さなければダメだ。」

 「ラヴォアジエ君、君はどう思う?」
「私は国王を支えて改革を進めるべきだと思う。混乱は好ましくない。」


 私、ラヴォアジエにとっては、人間界の変革より、化学界の変革の方がずっと魅力的だった。

 イギリスで、プリーストリーとキャンヴェンディシュによる新しい発見が報告された。
「可燃性空気(水素)」とそれを取り除いた空気(酸素+窒素)との混合物に、電気火花で点火すると、水が生じた、という実験である。

 2人は、この現象を、2つの気体からフロギストンが出入りして水に戻った、と解釈した。
しかし、私はこれと同じ実験を行い、これは2つの気体が化合して水を作った化学変化だ、と推測した。
     水素 + 酸素 → 水

 すなわち、水は元素ではなく、化合物なのだ

 この推測を証明するため、私は水の分解を行った。
     水に灼熱した鉄を入れる
          down  
     発生した水素を捕集する 
          down       
   発生した酸素と鉄から、酸化鉄が生成される
          down                          
     水は水素と酸素の化合物だ!

 私は、このようにして「フロギストン説」と「アリストテレスの4元素説」を打ち破ったのである。

 参考図:「朝日百科 世界の歴史(18世紀)」、朝日新聞社、1991
     
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