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第3話(1)

 火縄銃(1)

 隼人らの請願もあり、王直は火縄銃の調達を決めた。

 その任務に、堺商人と親交のある池永左京があたる。
左京らの護衛に、組頭である兵蔵と隼人らの13番隊がついていくこととなった。

 平戸から堺を目指す。
八幡船に比べると、頼りなげな帆柱1本の和船に乗り、穏やかな瀬戸内海を進む。

 瀬戸内海は村上水軍が支配している。
因島付近で行く手を阻まれたが、左京は手慣れたもので、関銭を払い、無事通り抜ける。


 堺は一つの国のような、大きな町だった。
町の周囲には堀をめぐらし、自衛団で町を守っている。
人、物が激しく行き交い、町の繁栄をうかがわせる。

 町は会合衆という自治組織により運営され、近隣の守護や大名の支配を受けていない。

 堺は貿易港として繁栄している。
守護や大名は、堺からの中国や南蛮の物品や軍需物資の入手及び軍資金(矢銭)の提供に満足しており、あえて堺を支配しようとはしない。

 組頭の兵蔵が説明する。

 「堺の今井宗久殿との交渉は左京殿に任せ、お前達は鉄砲の製造工程やその使用法および性能を調べろ。」
「但し、書き取ってはならん、全て頭に記憶するのだ。」

 参考図:日本の歴史「鎌倉・安土桃山時代」、ポプラ社、2009
     
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