私はミクロの世界に興味を持ったきっかけになったのは、ステルーティの著作「ミツバチの図」だ。
その本には、顕微鏡を使った、ミツバチのびっくりするような詳細な観察図が示されていたんだ。
さらに近年、イギリスのロバート・フックは、その著作「ミクログラフィア」の中で、ミクロの世界を示して、世間を驚かせた。
本の中に、コルクの切片を顕微鏡で観察した図がある。
その蜂の巣状の構造図から、何故、コルクが軽く、液体を吸収せず、圧縮できるかを説明していた。
「フックは複式顕微鏡を使って観察している。私は、自作の単式顕微鏡で、もっと詳細な観察図を画いてみよう!」
毎日、仕事が終わってから部屋にこもり、身近なものの試料を作った。
そして、それらを顕微鏡で観察し、詳しくスケッチした。
〇ミツバチ、シラニ、ダニなどの小動物
〇カビの胞子や赤血球
〇フックのものより数倍拡大されたコルクの断面
〇かつら製作用の羊毛の毛根*(下図)
スペイン人は新世界を発見したが、私にとっては、これが未知の世界の発見だった。
*レーウェンフックの画いた毛根の太さは43マイクロメートルと推測されています。
そのことからレーウェンフックの自作した顕微鏡の倍率は、266倍と考えられます。
現在の光学顕微鏡の倍率が1000倍程度であることを考えると300年前にその4分の1
を達成していたのは、驚くべきことです。
参考図:「シングル・レンズ」、フォード、法政大学出版局、1986
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