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海賊王、モーガン(14)

 原本はイギリス人、Laughton, John Knoxにより書かれた「Sea fights and adventures, described by John Knox Laughton」(1901年刊)で、カリブ海を舞台に私掠船(しりゃくせん:国黙認の海賊船)の活躍を青少年向けに描いています。  現在騒がれているソマリア沖や南シナ海の海賊と違い、当時の私掠船は国同士の勢力争いの影の尖兵の感があり、また植民地からスペインが奪った黄金財宝を横取りするという爽快感もあります。  まずは読んで見ましょう。

Morgan, the king of buccaneers(14)
 He preferred negotiating. He intended, he answered, to hang them all; but he would so far relent as to let them go out if they left all their plunder, the slaves and prisoners, behind, and pledged their word to return immediately to their own country.

 Morgan put the question to his men, who with one voice, cried that they would fight for it; and accordingly they began making preparations, while Morgan amused Don Alonso with further messages.

 There was a vessel of some size which they had taken at Gibraltar. This they now filled up with tar and naphtha, of which there is a great quantity in the neighborhood, with brimstone and other combustibles, and so converted her into a most dangerous fire-ship.

海賊王、モーガン(14)
 ドン・アロンソは戦闘より交渉を選んだ。  彼はバカニーアたちを全員縛り首にする、と答えたかった。  しかし、バカニーアたちがすべての略奪品と奴隷、捕虜を置いていき、自分たちの国に直ちに帰ることを誓うなら、バカニーアたちを逃がしてやるよう、態度を軟化させ始めた。

 モーガンは部下に、どうするか問うたが、全員、戦うと叫んだ。  それに従い、部下たちは準備を始めた。  その一方、モーガンはドン・アロンソにさらなる手紙を送り、相手を惑わせた。

 バカニーアたちの所には、ヒブラルタルで奪った小型船があった。  その船に、付近にあった大量のタールとナフサを硫黄や可燃物と一緒に満載した。  こうして、この船を最も危険な火船に仕立て上げたのだ。 

(ひとこと)
 マラカイボ湖は南アメリカ最大の湖である。  その周辺に、スペイン人により蓄積された金銀財宝がモーガンたち、バカニーアを引きつけた。  現在は、金銀財宝にかわる石油が人々を引きつけている。  20世紀に入り、湖底と周辺から油田が発見され、ベネズエラは世界第8位の産油国となった。
〔参考文献:「ベネズエラ」、Wikipedia〕
〔参考図:R.L.スティーブンソン著、寺島隆一画「宝島」、福音館書店〕
     
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