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第1話(2)

 旅立ち(2)

 西域は唐朝の勢力の及ばないところであり、太宗は西域への漢人の出国を禁じていた。
 玄奘の天竺の旅は、国禁を犯すことになる。

 長安を出発した玄奘一行は、蘭州で、黄褐色のとうとうと流れる黄河を渡り、
河西回廊に入る。

 両側に雪をいただく山々が、延々と続く。
河西回廊を抜けると、砂漠地帯に入る。

 旅の困難さを予感し、玄奘に付き従っていた僧や案内人は、次々と脱落していく。
敦煌の手前、(安西)で、とうとう玄奘は一人になり、一頭のやせ馬を友に、旅をすることになる。


 瓜州から先には、大ゴビ砂漠が拡がっていた。
強風が吹きすさび、砂礫を巻き上げる。

 不毛の大地が延々と続く。
空に飛ぶ鳥なく、地に走る獣はおろか、草も生えていない。
所々に散らばるらくだや馬の骨が、道しるべだ。

 日中は炎熱のため進めない。
満天の星空の下を進むと、自分が天に向かって歩いているような錯覚に陥る。
夜は震えるように寒いが、太陽が昇ると灼熱地獄になる。

 ゆらゆらとした地平線に湖が浮かぶ。
そこを騎馬隊が通る。
その後をキャラバンが-----------。

 玄奘は「般若心経」を念じ、砂漠の妖鬼を追い払う。

 何日間か進むが、案内人の教えてくれた泉が見つからない。
小高い砂礫に登るが、見渡す限り、海原のような砂礫が拡がっている。

 玄奘は馬の背に乗せた皮袋を引き寄せ、中の水を飲もうとした。
しかし、皮袋が重すぎて、皮袋が手から離れ、地上に水をぶちまけてしまった。

 水なしで大砂漠を旅することは不可能だ。

 参考図:「マルコ・ポーロ」、ニック・マカーティ、BL出版
     
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