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第4話(6)

攻撃(7)

 「今日行われる、味方の増援部隊輸送の援護のためだ。己を棄て、味方を助けよう。」
「‐‐‐‐‐」

 再攻撃のため、東進し始めると、上空に哨戒機が現れた。白波を消すため、微速にする。
敵機は2度ほど旋回した後、飛び去った。再び、ピケットラインに向う。

 右舷前方から黒い点が2つ現れ、急速にその黒い影が大きくなる。
「右40度、敵艦2!」
「駆逐艦にしては小さいな、魚雷艇か?」
「砲戦用意!」

 閃光が閃き、砲弾が飛んできた。赤い曳光弾の帯が襲ってくる。
「砲艦だ!」
艇隊の周りに水柱が林立する。こちらの位置は完全に把握されている。
たまらず、煙幕をはり、退避行動に移る。

 結局、3隻は対岸のチョイセル島の基地に退避した。

 同夜、陸兵と補給物資を積んだ大発(大発動艇、排水量23トンの揚陸艇)を中心とする輸送部隊により、ベララベラ島増援が行われた。これを護衛する第3駆逐隊の4隻の駆逐艦隊と、輸送を阻止しようとするアメリカの駆逐艦隊4隻の間に砲雷撃戦が発生した。第1次ベララベラ海戦である。

 遠距離での戦いだったため、両艦隊に損害はなかった。輸送部隊は小艦艇4隻を失ったが、輸送作戦は成功した。
 
     
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