3日連続ラン/踵着地vs前足部着地について

2014年03月02日 | run
【今朝の体組成】
体脂肪量  :5.4kg(前日比
±0.0kg
除脂肪体重:56.5kg(前日比
+0.1kg
------------------------------
体重    :61.9kg(前日比+
0.1kg
※体脂肪率:8.7%

3月からは自転車にも乗ろうと考えていましたが、今朝は雨という予報(0-6時の降水確率=60%)を鑑みてランに切り替えました。
久しぶりの3日連続ランなので、もうウダウダとアフリカLSDランになりました。
【今日の朝稽古】
内容       :アフリカLSDラン
走行時間    :1時間25分20秒
走行距離    :15.3km(→
5分34秒/km)(月間累計:29.5km
消費エネルギー:1,014kcal(→
66.3kcal/km)(月間累計:1,876kcal

今日は淀屋橋→難波と御堂筋を南下したのですが、買い物etc.に繰り出した人々の間を走るのはちょっと恥ずかしかったです。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
標記の件についての、"Competitor Running"誌の記事です。

吾輩としては、「最初に着地部位ありき」ではなく、走っている内にスピードが上がってきたら自然と着地部位も適正化されるんだろうな、と思います。
もしくは、心拍数を指標に走っていれば、自然と着地部位も決まるんだろうな、とも考えます。
ならば、フォームは余り意識しなくてもいいのかもしれません。
尤も、現時点で脚の何処かが故障している人は別です。

また、ランナーのレベルによって施術時に重点を置く部位も異なってくるでしょうから、そこら辺を頭に入れておく必要もあります。

ランニング時の「踵着地」は有害か?
by Tom Michaud, D.C., Feb. 24, 2014


 ランナーの95%は無意識の内に踵着地をしているが、ランニング専門家の間では前足部着地への”転向”が流行している。この中足部/前足部着地に対しては、脚に掛かる衝撃の低減/腱への反発力の蓄積(によるスピードアップ&ランニング効率の改善)といった効果が期待されている。また、人間は靴を履くことで足が保護されたので、踵着地によって被る衝撃が最早危険でないと判断し、無意識の内に踵着地が身に付いたと考えられている。そして、人間にとってより自然とも言える中足部着地に切り替えることで、故障の危険性が低下するとともに、より効率良く走られるとしている。

 その主張は正しく思えるが、中足部/前足部着地に切り替えることで故障の発生率が変化する(≒低下する)/ランニング効率が改善するという考えは、具体的には立証されていない。1,600名以上のランナーを対象に、着地部位と故障の発生率を調査した結果では、踵着地/前足部着地の間ではランニング関連の故障発生率に差は見られなかった(1-3)。中足部着地の支持者達は、Medicine and Science in Sports and Exercise誌で発表された著名な研究結果を引用する。これは、中足部着地のランナーでは故障の発生率が約50%低下した、というものである(4)。しかし、この結果には前提条件がある。というのも、被験者(16名)はいずれも大学の有力ランナーであり、そして自主的に中足部着地を選択していたというのだ。勿論、自主的に中足部着地を選択するのは良いことだし、それは高レベルのアスリートに見られることである。問題は、これ迄踵着地だったランナーが中足部着地に切り替えることで故障が頻発する、ということである。筆者の経験からも、自主的に中足部着地を選択した世界レベルのランナー達は、生体工学的には問題が無い場合が多い。つまり、彼らの彼らの前足部は広く、内足弓(いわゆる土踏まず)もきちんと出来ていて、下腿三頭筋の柔軟性が高い。過去30年間の経験から考える限り、偏平足のホビーランナーが前足部着地に取り組むと、内足部(足底筋膜炎)/足関節(アキレス腱炎)に故障が発生しがちである。また、内足弓がきちんと出来ているランナーでも、前足部着地に取り組むことで足関節捻挫/中足骨の疲労骨折が発生する例が多い。

 このように、踵着地のランナーが中足部/前足部着地に取り組むことでこれまでとは異なる故障が発生する理由は、衝撃を吸収する部位が異なってくるからである。踵着地/前足部着地を生体工学面から評価した研究によると、前足部着地では踵部で着地時の衝撃を吸収し、膝部で吸収する衝撃は少ない(5)。踵着地だとこれが逆になり、踵部で受ける衝撃が少ない一方で、膝部で吸収する衝撃が大きくなる。考えて見れば当たり前なのだが、足のどこで着地しようとも、身体全体が受ける衝撃の量は不変である。問題は、受けた衝撃をどこで吸収するかである。中足部~前足部で着地するランナーは衝撃を内足弓/下腿三頭筋で吸収する一方、踵着地のランナーは衝撃を膝関節で吸収している。

 また、ランニングの代謝率を評価した研究によると、前足部着地が有利であるという証拠は無いとのことである。事実、ホビーランナーレベルでは、踵着地の方が効率が良いという研究結果が多く報告されている。Journal of Experimental Biology誌で発表された研究結果では、ウォーキング/ランニングを対象に、着地部位/走行スピードの違いが関節部に掛かるトルク(回転モーメント)/動作の機械的解析/筋肉の活性等に及ぼす影響について計算している(6)。それによると、ウォーキングの場合、踵着地によってエネルギーの消費量が53%も減少する。これは大きな違いであり、走行スピードの遅い(=歩くよりわずかに速い程度)ジョガーのほぼ全員が踵着地を選択している理由となり得る。またこの結果は、世界レベルの長距離ランナーの1/3が中足部着地である事(7)と表裏一体かもしれない。

 エリートランナーがのランニング効率が着地部位にあまり関係ない一方、ホビーランナーでは踵着地の方がランニング効率が良いとなると、ランニング効率という点で踵着地がその有利さを失うスピードはどれ位なのか?という疑問が浮上する。マサチューセッツ大学の研究者がコンピュータでシミュレーションした結果(8)によると、4分45秒/kmでは、踵着地は中足部/前足部着地に比べランニング効率が約6%優れていた。別の研究結果(9)では、4分0秒/kmでは踵着地/中足部着地でランニング効率が同等であった。この結果を鑑みると、エリートランナーでは中足部/前足部着地の方がランニング効率という点で好ましい一方、ホビーランナーでは踵着地の方が好ましいということになる。

 上述の結果を前提にすると、ホビーランナーに踵着地/中足部着地のどちらが快適かと尋ねた場合、踵着地という回答が有意に多くなるのは当たり前となる(10)。また、いわゆる裸足ランニング用シューズに切り替えたランナーの約35%が、衝撃量の増大にも関わらず踵着地を続けるというのも納得出来る(11)。つまり、踵着地は効率が良いので止められないのだ。

 もっとも、着地部位を考える際には、まずは医学的な/治療上の観点を再優先すべきである。中足部着地では膝に掛かるストレス(衝撃)が有意に低下するので、膝関節に痛みを覚えるランナーは中足部着地に切り替えることを考慮すべきである。また、脚の構造が前足部着地に適している(=前足部が幅広である/アキレス腱が柔軟である)ランナーも前足部着地に取り組むべきであろう。逆に、アキレス腱/前足部/足底筋膜を故障した経験のあるランナーは、出来れば踵の外側部を着地部位とすべきである。専門家達は色々アドバイスするだろうが、ランナーの95%は自然に/無意識に踵着地を選択しているが、それは誤りではない。

【引用文献】
1. Kleindienst F, Campe S, Graf E, et al. Dif­ferences between fore- and rearfoot strike running patterns based on kinetics and kine­matics. XXV ISBS Symposium 2007, Ouro Preto, Brazil.

2. Kleindienst, F.I. (2003). Gradierung funktioneller Sportschuhparameter am Laufschuh. Shaker. Aachen, 234-235.

3.  Walther, M. (2005). Vorfußlaufen schützt nicht vor Überlastungsproblemen. Orthopädieschuhtechnik, 6, 34.

4. Daoud A, Geissler G, Wang F, Saretsky J, Daoud Y, Lieberman D. Foot strike and injury rates in endurance runners: a ret­rospective study. Med Sci Sports Exerc. 2012;Jul;44(7):1325-34.

5. Hamill J, Allison H. Derrick G, et al. Low­er extremity joint stiffness characteristics during running with different footfall patterns. European J Sports Sci. Oct 15, 2012.

6. Cunningham C, Schilling N, Anders C et al. The influence of foot posture on the cost of transport in humans. J Experimental Biolo­gy. 2010;213:790-797.

7. Hesegawa H, Yamauchi T, Kraemer W. Foot strike patterns of runners at the 15-km point during an elitelevel half marathon. J Strength Cond. 2007;21:888-893.

8. Miller R, Russell E, Gruber A, et al. Foot-strike pattern selection to minimize muscle energy expenditure during running: a com­puter simulation study. Annual meeting of American Society of Biomechanics in State College, PA, 2009.

9. Ogueta-Alday A, Rodríguez-Marroyo JA, García-López J. Rearfoot Striking Runners Are More Economical than Midfoot Strikers. Med Sci Sports Exerc. 2013 Aug 30. [Epub ahead of print]

10. Delgado T, Kubera-Shelton E, Robb R, et al. Effects of foot strike on low back posture, shock attenuation, and comfort in running. Med Sci Sports Exerc. 2013;4:490-6.

11. Goss D, Lewek M, Yu B, et al. Accuracy of self-reported foot strike patterns and loading rates associated with traditional and minimalist running shoes. Human Movement Science Research Symposium, 2012, The University of North Carolina at Chapel Hill.
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