Kiwi - diary

life mostly in Saitama and Tokyo.

NTTの深謀~知られざる通信再編成を巡る闘い

2009-06-09 | 
日経コミュニケーション編。2009年3月発売なので、ドコモのTTSL出資など直近の話題も盛り込まれている。序章で勝ちすぎてはいけない企業、と、NTTグループの特殊性を説明し、2010年のNTT解体議論を避けるために、わざと不振を演じている、と見る。構想だけのNGN、IPの独占を黙認する総務省、国内市場のための国際戦略等、一連の出来事と背後にあるそれぞれの意図を解説する。NGNという言葉だけが先行し、サービスがなく、わかりにくいのは、わざと宣伝もせず目立たなくしているからだという説明には納得した。国際戦略については、そもそも通信というドメスティックな業界において、国際進出は所詮国内企業のためのもの、というのは当然だと思っていたら、総務省の期待は違ったらしい。様々なNTT批判はあるものの、結局は、通信業界の発展と日本の国際競争力向上のためにNTTがリーダーシップを発揮することを期待している。ある意味、内向的な日本社会を代表するのがNTTなんだろうな、と思う。だから期待されるけど、日系企業と国内市場にフォーカスする状況は変わらない。