秋のおはなし会 小学校で

小学校では、絵本の会がらがらどんで、初めて聞き手選書型でやりました。子どもたちにまず2冊選んでもらい、お話をいれて前半3冊。中間の息抜き手遊び代わりにまた2冊選んでもらい、後半にします。あとは時間調整で1冊読んだり読まなかったり。
子どもの意見を取り入れる「絵本ライブ」のような形になりました。
学校は忙しいのでしょう、設定時間のやりくりで苦慮していたクラスもありました。来年また訪問できたら、しっかり40分やりたいと思います。来年の今ころは何しているだろうなー。大丈夫かな・・・。

1年生でも5冊しっかり集中して聞いている様子でした。自分たちで選んだというのは、やっぱり存在が大きい。自分の願いがかなえられなかった子の不満の声には、「市の図書館にあるから、借りてね」と言っておきました。今回の提案を呑んでくださった学校の協力に感謝です。

お話は、私は「ぬかぶくこめぶく」をやりました。『越後のシンデレラ』(野島出版)から。去年、手作り紙芝居で作ってあったので、脚本になった言葉がしっかり頭にあり、あらすじはそのままで自分の言葉で語っていきました。去年は初めて文章を変えて語ることに挑戦して、崖から飛び降りるような不安感で前日の夜はうなされてしまいましたが、今年はそんなこともなくのびのびと語ることができました。
 つまりは「あらすじ」を人に教えるようなもんだなあと思います。本を10回くらい読んでみて、次に本を閉じてあらすじをしゃべってみると、案外簡単にできるようになるかもしれない。最初からそういうやり方で割り切ってやってみたらどうでしょうか。
昔の山村に住んでいた伝承者は、本を読む代わりに何遍も聞いて、そうやって語れるようになったんだろうなーと思うのです。

 教室に入り、自分の出番が来るまで子どもの横で一緒に体育すわりで聞いていたとき、「去年も来たでしょ」と話しかけてくれた男の子がいた。すごくうれしい。おはなし会をすること本体より、こっちの方が大事なような気もする。
 先生があたふたと椅子を持ってきてくれて仕方なく座ったけど、隣で一緒に聞きたかった。来年の希望として学校に出しておこうかな。

 私が中学のとき、上越市と静岡県の清水市は、中学生の代表二十人位が、県をまたいでお互いの家に数日泊まり交流をするという「国内留学会」のようなイベントがありました。そのとき、市内中学生挙げての歓迎レセプションに、私に「ぬかぶくこめぶく」を語るという役があたえられ、国語の先生が「これを覚えなさい」とその本のそのページのコピーをくださいました。
 なにせ昔の本で、「ぬかぶく」の部分が「こめぶく」と印刷されている部分もあり、つまりは語りまちがえか校正ミスかでしょう。ったく、と自分で直して覚えたけど。
 先生が私にそのおはなしを引き合わせてくださったのだなあ、と当時の自分の家庭事情を思い出して、あとで合点がいったような気持ちになりました。その最中は覚えることに必死でそういうことは考えないものですね。本番は着物を着ておさげを編み、お化粧をして、なかなかいい気持ちでした。数十年後にこれを人前で語るようになるとは、思いませんでした。生きているとこういうこともあるのね。
 
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