かみなり

心臓に人工弁を、耳に補聴器をしている昭和23年生まれの団塊世代です。趣味は短歌です。日々のよしなしごとを綴っていきます。

事件の連鎖

2019-06-04 11:49:16 | ブログ記事

川崎殺傷事件から連鎖したかのような事件が起こった。

引きこもり長男を10か所以上、刺す 元事務次官「川崎のような事件を起こしたら…」と供述〈週刊朝日〉

この長男を殺したお父さんは川崎事件のような事件を自分の長男が起こしたらと心配したらしい。

責任感の強い人だったのだろう。

しかし、ほかに方法はなかっただろうか。

社会的にも申し分ない地位に就かれていた人の、あまりにも残念な事件である。

私は自分が引きこもり傾向のある人間であるから、

引きこもってしまった人の辛さも、そのご家族の辛さも少しはわかるような気がしている。

一昨日の「遅ればせながら川崎殺傷事件について」にも書いたが、

人は誰でも社会的に活躍したいと望んでいる。役立ちたいと望んでいる。

が、それが叶わないときに屈折した気持ちを抱くようになる。

それが自分に向かったときに自殺という行為になることもあるが、

自殺はなかなか実行できない。

そういうときに一番身近な家族に向かうことになる。

その変形(直接には親を殺していない)が川崎事件であったと私は理解しているが、

今回の事務次官の事件は、自分の息子がそうならないために、

父親が先走りしてわが子を殺してしまったと言えると思う。

どちらも、本当に痛ましい。

もちろん川崎事件は、殺された人たちが一番気の毒ではあるが、

しかし、殺した男性も、そこまで思い詰めていたことを思えば、

私には、やはり痛ましく思えるのである。

*

川崎事件の犯人の実の両親は離婚していて義両親に育てられたとある。

この際、実の両親には責任はないのだろうか。

私も若いころ、嫁ぎ先の義母のあまりにもひどい嫁虐めに離婚を考えた。

が、離婚して一番可哀想なのは子供と思って耐えた。

離婚して片親になってしまうと、

再婚した一方の親に引き取られたとしても、

片親は義理になるわけで、義理の子供を可愛がれる人は稀と思ったから。

この川崎事件の犯人の実の両親は

二親ともわが子を引き取ることをしないで、父親側の兄に委ねている。

委ねられた伯父に自分の子がいれば、自分の子のほうが可愛いのは自然で、仕方ないと思える。

それで、酷なようだが、実の両親が離婚したことが一番の原因と思えるし、

さまざまな事情があったにしても、

実の親のいずれもが引き取らなかったというのは今回の事件の大きな要因に思える。

犯人の51歳といえば分別盛りの立派な大人だが、

親に愛されずに育った者は、いつまでたっても大人になり切れないのかもしれない。

そういうことまで考えれば、犯人にも同情の余地はある。


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