秋晴れの午後を歩く

2023.10.06（金）



　1週間実家に帰っていた友人が戻ってきて、少し話をする。
　親の介護のことを話すと誰もが同じような反応を返すから、もう話すのはやめようかな、って。
　私もきっと同じような返しをしているんだろうけど、でもその気持ちはよくわかる。
　100通りの悩みがあっても、帰ってくるのは同じような言葉だよね。
　もう少し一緒にいようかと思ったけど、彼女に緊急の用事ができて、またね～と別れる。
　思いがけず長い時間ができたので、気持ちのいい秋空のもと、ふらふらと歩いて、気持ちを立て直す。

　つい最近も歩いたはずなのに、工事の予定の看板しかなかったはずのところに急に校舎ができていたり、この前まで草ぼうぼうの空き地だったところにデカい建物が出現してスーパーの看板がかかっていたり、反対にこの前まであったはずの郵便ポストが撤去されていたり・・・。
　私の「この前」の尺度があてにならないのか、それとも私の想像をはるかに超えて地元が（大げさだけど）変化しているのか。

　それにしても、気持ちのいい秋晴れの午後でした。


秋の風景
　　
　稲刈りが終わった田んぼの向こうに、弥彦山。
　母のことで実家にいる相方からの画像。
　耳がかなり遠くなったけれど、「なんでこんなときに来たんだ？」と相変わらずしっかりしている。
　雨は止んだけれど風が強いらしい。



愛称「スカイレール」
　　https://toyokeizai.net/articles/-/696688
　　

　　
　正式名称は、「広島短距離交通・瀬野線。
　山陽本線の瀬野駅に隣接する「みどり口駅」と、丘の上の住宅街にある「みどり中央駅」を5分で結ぶ1.3kmの「鉄道」路線である。
　住宅街と下の瀬野駅の高低差は160m。この勾配では通常の鉄道での輸送は困難。かといって、いわゆるモノレールでも問題があるため、ロープウェイのようにワイヤーで引っ張る仕組みが開発されたそうだ。ちなみに、駅の構内は「リニア駆動」で移動。
　ロープウェーのような仕組みだが、法規上は「鉄道」に分類され、モノレールやAGTなど同じ「新交通システム」に分類されるそうだ。

　けれど、来年の春の廃止が決まっている。
　廃止の理由は、「赤字」と「部品調達が困難」ということだ。
　このスカイレールをモデルケースにして、交通が不便な住宅街やベッドタウンに売り込む予定だったけれど、反響は予想より少なく、実用化されたのは、このスカイレールのみ。車両や施設が量産できれば、維持修繕費なども安く済ませられただろうが、そうはいかなかった。スカイレールの車両や設備の更新時期が近づいたが、部品の価格も、軌道や橋脚などの修繕費用も、高価なものになってしまうらしい。

　当初の運行終了時期は2023年12月末だったが、代替交通手段となるEVバスによる路線バスの運行が延期されたため、来年の春、ということになったらしい。

　この前、縁があって利用したのだけれど、帰ってきてから調べたらこんなことがわかって、ちょっと複雑な思い。当初の思惑とは微妙にずれて、こんなふうに運命が変わってしまう。
　地元に住む人たちにとっては、どうなんだろう。赤字、ということは利用客も限られているのかな。車とEVバスの利用で、問題は解決されるんだろうか。


NHK『やさしい猫』
　　https://www.nhk.jp/p/ts/9P6MW3K4RM/
　録画しておいたのを、一気に見た。
　重いテーマを温かい映像で見せてくれたけれど、見終わって心にズンと残るものが多い。
　出入局管理局の問題では、つい最近もウィシュマさんの死亡事件があったし、このドラマで描かれているような不当な非人道的なことが行われているのか、無関心ではいられない。

　ドラマでは、優香さん、娘役の伊東蒼さんが地に足をつけて暮らす母娘を丁寧に演じていた。
　オーバーステイからの強制送還を免れるための偽装結婚では？に抗議して国を相手に裁判を起こす。
　そこで証人に立った娘が、検事からの辛辣な尋問に（こんなヤな奴がいるの？と反吐が出るほどに、麻生祐未さん熱演）、自分の言葉で返す。「お父さん」と呼ばずに「クマさん」と呼んでいるけれど、「自分には大事な存在。『お父さん』と呼ばなければおかしいですか？」。
　静かな問いかけに、大人たちは返す言葉を持たない。