隠れ家-かけらの世界-

今日感じたこと、出会った人のこと、好きなこと、忘れたくないこと…。気ままに残していけたらいい。

『ミュージック・ライフ』ほどミーハーではなく~『音楽専科』で漫遊記

2023年08月01日 20時16分23秒 | スピッツ

2023.07.30
「ロック大陸漫遊記」
FM TOKYO




 7月最終週、そして8月へ。
 「ハッピー・アイスクリーム」という言葉をご存じ?
 「同じセリフ 同じ時♪」(「ロビンソン」より)のように同じ言葉を同時に言ってしまったときに、「ハッピー・アイスクリーム!」と先に言ったほうがアイスクリームを奢ってもらえる、とか、「ハッピー・ストップ」と言ったほうが叩いてもいい・・・とか。
 草野家では「家族でもやってたけど」・・・、「今はあんまり聞かないですよね、っていうか、福岡だけのローカルな習慣だったんでしょうか」。
 そして例によって「検索してみたら」、地域によっていろいろなパターンがあったようで、「アイスクリームのところがチョコレートになっていたり」。
 これは70年代に流行っていたそうで、草野くんは今でも誰かと同じ言葉を言ってしまったとき、「ハッピー・アイスクリーム」と言いそうになるとか。「これ、今も使っている若い人とかいるのかなあ。ちょっと気になります」
 (70年代か~。覚えがありません)

 今回のテーマは、【音楽専科1973年3月号で漫遊記】です。
 この番組恒例の「音楽雑誌を地図代わりに漫遊する回」。
 これまでも、『ミュージック・ライフ』、『ロッキン・オン・ジャパン』、最近では『スタジオ・ボイス』などを取り上げてきた。
 今回は『音楽専科』という専門誌。
 『ミュージック・ライフ』のミーハーな部分を取りのぞき、『ミュージック・マガジン』ほどマニアックではない、という立ち位置、とか。



 オンエア曲

 01 i-O(修理のうた)(スピッツ)
 02 Tight Rope タイト・ロープ(Leon Russell)
 03 Oh ! ma jolie Sarah(ジョニー・アリディ)
 04 You're so Vain(Carly Simon)
 05 Sugar Magnolia(The Grateful Dead)
 06 Remember Me(Diana Ross)
 07 Street Fighting Man(The Rolling Stones)
 08 ローリング・ストーンズは来なかった(西郷輝彦)


 漫遊前の一曲は、スピッツの「i-O(修理のうた)」(2023年、17thアルバム『ひみつスタジオ』)。
 「これがオンエアされる頃には、ホールツアーは後半に入っているんでしょうか」
 で、このアルバムからの選曲。
 (夜中にひとりで聴いているとき、このイントロからボーカルの声が聴こえてくるとき、体のどこかが気持ちよく揺れて温かくなる。「簡単な工具で ゆがみを正して♪」、そしていつもいつも「ちょっと得意げに鼻歌うたってる 頼もしい君に会えてよかった♪」と言われる人でいられたらなあと思うのです)

 最初の曲は、「70年代に人気だった」、Leon Russellの「Tight Rope タイト・ロープ」(1972年、3rdアルバム『Carney』)。
 この号の表紙を飾っている。写真から起こしたであろうイラスト。「ロン毛と髭とサングラス」
 「今だと表紙になりにくい」ビジュアル?
 来日公演を控えていたからなのか、巻頭からグラビアページを使って特集が組まれている。
 来日公演は大盛況で「ライブ盤も出ている」。
 のちに『ミュージック・ライフ』の編集長になる水上ひろこさんのレポートもある。
 「スタジアムクラスの会場でライブを行っているし、大人気だったんですね」。
 80年代にはちょっと古い音楽になっていて、草野くん自身はリアルタイムではLeon Russellをあまり聴いていない。
 「ちょっと渋めなんで、若いときはあまり惹かれなかった」が、今になってみると「この独特のしゃがれ声に惹かれる人が多かったのも理解できる」。
 (「独特のしゃがれ声」、これは代表曲か?)
Leon Russell Sings “A Song for You”


 『音楽専科』について。
 1967年創刊。
 現在は、音楽専科社という会社自体がもう存在しないが、「学生のころは読んでいましたね」と。
 草野くんの記憶では、「『ミュージック・ライフ』のライバル誌的な扱いだった」。
 『ミュージック・ライフ』ほどミーハーではなく、『ロッキン・オン・ジャパン』ほど理屈っぽくなく(笑)、『ミュージック・マガジン』ほどアカデミックではない・・・、「隙間を埋めるような雑誌かなあ」。
 「見た目よりも音楽の内容で勝負!」というようなアーティストをメインに取り上げている感じかな、と。
 当初は「レコードとオーディオの雑誌」という打ち出しだったようで、購入者層も「こだわりのある人」だったのかなと推測される。
 
 
 次の曲は、「フランスの人気ロックシンガー」、ジョニー・アリディの「Oh ! ma jolie Sarah」(1971年、14thアルバム『Flagrant Délit』)。
 渋谷公会堂での来日コンサートがあり、「モノクロページだが、しっかり取り上げられている」と。
 スピッツも何度かライブをしているが、「あの手狭な楽屋に有名なジョニー・アリディさんがいらっしゃったと思うと、不思議な感じがします」。
 (当時、シルヴィ・バルタンの夫という認識しかなく、あとでフランスの国民的シンガーだと知って驚いた記憶がある。)
Johnny Hallyday - Que Je T'aime


 さてさて、1973年はどんな年?
 「何と言っても、オイルショック!」、そうそう。「トイレットペーパーを並んで買いだめしている映像」を今でも目にすることがある。
 「省エネ」という言葉もこのころから使われるようになった。
 「ノストラダムスの大予言」とか「日本沈没」も不景気の殺伐としたムードから、そういう世紀末的なやつもヒットしたのか?
 草野くんの記憶の中では、そういう時代の空気は特撮ヒーローものにも表れていた。「レインボーマン」の敵「死ね死ね団」は精巧な偽札を大量に作って日本をハイパーインフレにする、という子どもには難しい悪事を働いていた。
 1973年にいちばん売れた歌が、ぴんからトリオの「女のみち」。ZO-3で弾き語り(笑)。ちょっとコブシをきかせて。「演歌!っていう歌ですけど」、1972,73年と2年続けて年間チャート1位。
 (すごいなあ。どういう年だったんだろう。)
 そんな曲は後にも先にもないそうで、歴代の売り上げも「およげたいやきくん」に次いで2位!
 ほかには、ちあきなおみさんの「喝采」(これもZO-3で。うまい!)、チューリップ「心の旅」(これも当然ZO-3で)。「いい曲、いっぱいあったんすね」


 次の曲は、Carly Simonの「You're so Vain うつろな愛」(1972年、3rdアルバム『No Secrets』)。
 当時、シングルもアルバムも大ヒット!
 (アルバム、持ってるし、ラジオから流れる曲をカセットに録ったりしたなあ)
 アルバム『No Secrets』のリリースに伴う記事。日本でつけられたコピーは「ヒミツなんてないんです!」で、「ちょっと微妙かな」(たしかに・・・微妙)
 (キャロル・キングがきつくなるとカーリー・サイモンに、カーリー・サイモンに飽き足らなくなるとキャロル・キングに・・・とミーハー的に行ったり来たりしていた恥ずかしい時期があったな。彼女には明るくて救ってくれる軽やかさがあった)
Carly Simon - Coming Around Again (Live At Grand Central - Official Video)

 次は、The Grateful Deadの「Sugar Magnolia」(1970年、5thアルバム『American Beauty』)。
 The Grateful DeadはLeon Russellと同じくらいのページを割いて、当時盛り上がっていたウェストコーストのロックシーンの特集を組んでいて、その代表的なバンドとして取り上げられている。
 今の感覚で言えば、ウェストコーストのロックといえば、EaglesとかThe Doobie Brothersらがあげられるが、「73年というと、まだ違うんでしょうね」。
 高校生の草野くんは、「有名なバンドだし聴いておいたほうがいいのかな」と思って、The Grateful Deadを聴いたけれど、「まったくピンとこなくて、単にグッズがかわいいバンド、という位置づけ」だった。「ファンの方には申し訳ないけど」、でも「2020年代になっても、そのグッズが売れ続けているとは思っていなかったなあ」。
 (ダンシンブベアのエコバッグ、いただいてずっと使っていました。)
 「即興性の高いライブで本領が発揮されるバンド」らしいので、「やっぱりライブを見なければいけなかったのかな。レコードだけじゃ魅力が伝わらなかったのかもしれないね」と。
Grateful Dead - Playing In The Band (San Francisco, CA October 1974)
 (知り合いには熱くて長いファンがいます)


 メッセージコーナー。
 42歳の男性から。
 一日があっという間に過ぎる今、「これを草野さんはポジティブにとらえているか、ネガティブにとらえているか?」
 「去年のことかと思っていたら5年前だった・・・」は、「中高年あるある」。
 森光子さんが(たぶん)以前に「戦時中は時間が過ぎるのがすごく遅かった」と。「そういえば、嫌なことと向き合っているときは時間の流れがメチャメチャ遅いなあ」。「縄跳び1分間も長い」
 だから、「はやく感じるっていうのは、それなりに平穏だったってことだから、ポジティブに考えてみたらいかがでしょうか」。

 豊洲サンセットに身長180cm以上の夫さんと参加するリスナーさん、「高身長の人はスタンディングのときにどこにいたらいい?」
 (こんなふうに気にしてくれるなんて、いい人だなあ・・・)
 草野くんは常々背の高い人を羨んでいたが、「すごく高い人にはそれなりに大変なご苦労があるのかな」。
 出演者側からは「あんまり気にせずに好きなところで見てください」ということだ、「後ろで見てもいいし、頑張って前のほうで見ても・・・」
 だが、「自分のせいで見えにくくなる人がいる」ということをすごく気にする人なら、「やっぱり壁に近いほうですかね」
 自分自身はそれほど高くはないから「とくに考えたことはなかったけど、難しいですよね」。
 草野くん自身はうしろにすごく小柄な人がいたら気になるので、そういうことを気にする方は「後ろのほうで見たほうがいいかも」。
 (ライブで「前にどうぞ」と言ってくれた男性がいて、あとで「あれ? スピッツの人だった?」と思い当たった、という知り合いがいますけど。スピッツメンバーの誰だったか、そうではなかったのか、記憶が曖昧らしい。とくにスピッツファンという人じゃないので(笑)。)


 次は、Diana Rossの「Remember Me」(1971年、3rdアルバム『Surrender』)。
 ライバル誌『ミュージック・ライフ』との差別化を狙っているのか、当時人気だったはずのグラムロックやハードロックの記事は控えめ。「その分、大人っぽいロックとかソウルミュージックの記事が多めかな。Diana Rossさんの記事もその一つ」
 このころ、彼女は映画で、レジェンドシンガーであるビリー・ホリデイを演じて大ヒット、話題沸騰だった。
 Diana Rossさんは当時から、すでにアメリカを代表する大スターだったが、最近も映画『ミニオンズ フィーバー』の「Turn Up the Sunshine」をテーム・インパラとコラボして、「あれもいい曲だったし、スゲーなと思います」。
Diana Ross, Tame Impala - Turn Up The Sunshine
 70年代はベスト盤もいくつかリリースされて、そのなかに必ず収録されていたのは、この「Remember Me」。
 (The Supremes時代からのなが~い歴史)

 最後の曲は、The Rolling Stonesの「Street Fighting Man」(1968年、7thアルバム『Beggars Banquet』)。
 当時、来日できなくなってしまった経緯が詳細に説明されている。「ざっくり言いますと、法務省からNGが出てしまった」ということ。
 若かったメンバーの素行がよろしくない・・・ということで。イベンター側のウドー事務所の記者会見のもようがすべて書かれている。担当者は「今回来日が実現しなければ、二度と彼らが来日することはない」と発言している。
 1990年に来日がかなうが、「さすがにメンバーの皆さんも大人になったということですか」。
 レビューコーナーで『Beggars Banquet』のレコ評があり、「これは来日に合わせたリイシュー盤かな」。
 その中から、「もし来日していたらやっていたんじゃないかな」という曲を、ということで。


 特集の最後に。
 この頃の音楽雑誌は、『音楽専科』に限らず、オーディオの情報が多く掲載されている。
 1973年はカセットテープが普及し始めた頃で、カセットデッキの特集記事も組まれているそうだ。
 70年代のオーディオ機器のメカニカルなデザインを眺めるというのも、古い音楽雑誌を読む楽しみの一つ、と。


 そして、「ちょっぴりタイムマシン」のコーナーは、西郷輝彦さんの「ローリング・ストーンズは来なかった」(1973年、66thシングル)。
 (イントロは、「リコリス」)
 ストーンズが来日できなかったことをきっかけに作られたと思われるが、「歌詞もアレンジも非常にディープで、カルト歌謡として、非常に根強い人気があるようです」。
 サビの歌詞「今こそ 二流の俺だが いずれは売り出すさ 夢のスーパー・スターだ!♪」がすごくて、サビ前にロックスターたちの名前「ローリング・ストーンズ、ジョン・レノン、サンタナ、シカゴ」が連呼される。
 結局、ローリング・ストーンズが来日しなかった、という内容とはかけ離れた内容で、「当時の話題に乗った企画」だったのか?
 (初めて聴いた。すごい歌だな・・・何とも言えないけど)

 
 来週は、「緑、グリーンなバンドで漫遊記」。

 「色縛り」という新しい試みです!
 白、黒、赤などはたくさんあるので、あえて緑、Greenが名前に入っているバンドの特集。洋楽邦楽混ぜ混ぜで。
 (洋楽1つ、邦楽2つ・・・は思い浮かぶけど)

 「草野さん、そのシャツ、どこのブランドのやつですか」




  
 朝はこんな夏空が広がって、もくもくと湧いてくるような豊かな深緑の緑地を際立たせていた。
 午後には雷鳴が遠くから響き、いっとき強い雨が降って、少ししのぎやすくなった。


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