隠れ家-かけらの世界-

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「韻を踏む」のは高度な遊び?~韻で漫遊記

2024年02月26日 20時53分18秒 | スピッツ

2024.02.25
ロック大陸漫遊記
TOKYO FM


 2月最終週から3月へ。
 「今、大変な方もいらっしゃると思いますが、大変な方も、そうでもないという方も、ちょっとした息抜きにしていただけたら幸いです。

 そして今日は、【韻で漫遊記】
 「韻を踏む・・・の韻です」
 洋楽のロックを聴いていると、「ほぼすべての歌詞で韻が踏まれているのに気づきます」。
 ロック大陸に上陸したころは、「それを歌詞カードで見ながら聴くのがすごい好きだった。楽しかったんですよ」。
 日本でもヒップホップ以降、「わりと意識的にしっかり韻を踏む人が多くなった」。
 「そんな韻のお話にお付き合いしていただきつつ」の漫遊だそうです。
 もし可能であれば、運転中とかでなければ、歌詞を検索して、「歌詞を見ながら漫遊していただけると、楽しめるかも」と。


 セットリスト
 01 ハチの針(スピッツ)
 02 The Wizard(Uriah Heep)
 03 My Sharona(The Knack)
 04 London Calling(The Clash)
 05 Surrender(Cheap Trick)
 06 名もなき詩(Mr.Children)
 07 Original Rhyme Animal(ZEEBRA)
 08 Boys Fire the Tricot(FLIPPER'S GUITAR)


 漫遊前の1曲は、スピッツで「ハチの針」(2016年、15thアルバム『醒めない』)。
 キングギドラやKREVAからの影響を受けつつ、「ことごとく、単語の母音で韻を踏んでます」と、曲前にちょこっと説明あり。
 (うーん、いつ聴いてもかっこいいですね~。ライブでもっともっと聴きたい。)
 曲終わりで、「わかりにくいかも、だけど、1行ずつの同じメロディーのところで韻を踏んでいます」。
 (わかるよ。リリース当時も、歌詞カード見ながら聴いてたし)

 最初の曲は、「ロック大陸では、おなじみのバンド」、Uriah Heepの「The Wizard」(1972年、6thシングル/1972年、4thアルバム『Demons and Wizards 悪魔と魔法使い』)
 (Uriah Heepは、この番組最初の「ワンアーティスト特集」で取り上げられたバンド! ココです)

 (歌詞見てきました~。シンプルな単語できれいな韻を踏んでいるんだなあ)
 アナログ世代の人間なんで、歌詞カード見ながら聴くことが多かった草野くん、「だから、あ、韻踏んでんな、っていうのがわかりやすかったんですよ」。
 (レコードジャケットの裏だったり、封入されている紙(カードという感じじゃないし)が大きいから、ついつい見ちゃうし)
 ZO-3でちょっと弾いて、韻をひとつひとつ挙げてくれる。
 「洋楽って、99%、韻を踏んでいるんですよ。決まりというより、当たり前の習慣、みたいな感じですかね」
 (英詩でもフランス語詩でも、普通に韻を踏んでいるし)
 日本語でたとえるのは難しいけれど、「丁寧に言うときは、『です』とか『ます』をつけましょう、という、それくらいの常識、みたいな」と。
 ロックに限らず、すべてのジャンルの歌詞で韻が踏まれている。
 有名な童謡「Row Row Row Row Your Boat」をZO-3とともに歌って、streamとdreamの韻を説明。
また「ジングルベル」では、awayとsleighで韻が踏まれている。
 韻を踏むことを優先して、「意味不明な歌詞になることも多いらしい。これもすごいおもしろいことだなと思いますけどね」。

 次は、「ロック大陸の定番?」、The Knackの「My Sharona」(1979年、デビューシングル/1979年、デビューアルバム『Get The Knack』)。
 文末がすべてSharonaだが、その前に着く単語がすべて韻を踏んでいる。例えば、time / line、eyes / thighsなどなど。

 eyesとthighs(太もも?)の韻などは「意味」も含めて、「Hな歌詞なんですかね。韻を感じながら聴くと、はまって、すごくおもしろい」と。(たしかに)

 次は、The Clashの「London Calling」(1979年、3rdアルバム『London Calling』)。
 既成の概念にとらわれないパンクロックにおいても、皆さん、韻を踏んでいる。「ということは、『韻を踏む』ということは、既成の概念の範疇じゃないってことなんでしょうね。呼吸をするのと同じくらい、自然なことなのかもしれない」
 ZO-3と「なななな~」を混ぜながら、town / down、and girl / underworld、us / dust、swing / thingの韻を説明。「しっかり韻が踏まれています。そのへんを意識して聴くと楽しいです」
 (いつも言ってるけど、このアルバム、クセになる。また聴きたくなる)

 そして次は、Cheap Trickの「Surrender」(1979年、3rdアルバム『Heaven Tonight 天国の罠』)。
 これは、「洋楽 韻を踏んでいない曲」で検索してヒットした曲だそうです。
 草野くん自身が何百回と聴いてきた曲なのに、「ホントだ、韻踏んでない」と初めて気づいたそうだ。
 ZO-3で結構長く歌ってくれて、「ホントだ、全然踏んでないって思いましたね」と。
 (英語の歌詞の曲を歌ってくれるのって、ちょっと新鮮ですね)
 韻を踏んでいないということが話題になるくらい、韻って当たり前のことなので、「英語のネイティブの方は、あれ、この曲、韻を踏んでないでヘンだぞ、っていう感じだったんでしょうね」。
 ほかに韻を踏んでいない曲としては、サイモン&ガーファンクルの「America」、R.E.M.の「Losing My Religion』などが有名。
 (どちらも結構好きな楽曲)
R.E.M. - Losing My Religion (Official HD Music Video)
 この手法であえて韻を踏まないことで、話し言葉のような雰囲気を出す効果があるとか。


 スピッツは、「韻を踏んでいる曲、結構多いです。気づいている方もいらっしゃると思うんですけど」。
 例として、「運命の人の「は~し~る」と「I need you ~」は、単語の母音が韻を踏んでいる。
 邦楽でも韻を踏んでいる曲が多いのは、「おそらく洋楽を意識して」のことだと思う。
 パイオニアとしては、「サザンの桑田さん」、英語のような感じだが、「結構巧みに韻を踏まれています。
 その流れで、次の曲の「ミスチルの桜井くんは、ユーモラスになりすぎずにクールな感じを保ちながら韻を踏んでいる印象かな」。

 次は、Mr.Childrenの「名もなき詩」(1996年、10thシングル/5thアルバム『深海』/どちらもオリコン年間第1位)。
 ZO-3で、ちょっと歌って、「ダ~リ~ン」 / 「だ~れ」、「「ダ~リ~ン」 / 「ノ~タリ~ン」などと「微妙に母音を合わせる歌詞が強く印象に残る」。

 「これね、カラオケでうたってみようかな、って思わせる効果的な韻だと思います」

 次は、ZEEBRAの「Original Rhyme Animal」(1998年、1stアルバム『THE RHYME ANIMAL』)。
 サザンやミスチル以降、日本のアーティストで韻を踏む人は増えたが、「ヒップホップ界隈では、しっかり韻を踏んでいる人が多い」。
 「キングギドラというヒップホップのグループがしっかり考えて韻を踏み始めたのが、その後の日本の音楽に大きな影響を与えた」と。
 「ギドラメソッド」という手法。
 「とくにZEEBRAさん」、草野くんは彼のラップのメソッドの本を購入して読んだそうだが、「すごいわかりやすくてオススメです」と。
 基本は、「単語の末尾だけではなく母音すべてを合わせる」。
 今日の歌の中では、「ハイテクノロジー[ノロジ]」 / 「見せつける モロに[モロニ]」 / 「錆びた心に[ココロニ]」 / 「仲間らと共に[トモニ]」 / 「全て一飲み[トノミ]」、すべて「オ-オ-イ」で韻を踏んでいる。
 「マジでおもしれ~なって思ったんですよ」、それまでは日本のラップにあまり興味をもてなかった草野くんが、「ZEEBRAさんのラップを聴いて、ああ、これや~って思いました」。
 なかには、この「ギドラメソッド」によって日本のラップがつまらなくなったという人もいるそうだが、「でもオレは逆で、しっかり韻を踏むことで、日本のラップもおもろくなったじゃん、と思いました」と。
 彼自身は、「poetry readingっぽい手法のラップが少し気恥ずかしい気がしていたので、そこから解放してくれたというのも大きいかな」。
 当時、ZEEBRAさんの音源がNIKEのCMに使われていて、「あれもすごいカッコよかったんですよ」。
 NBAのケビン・ガーネット選手のアニメとコラボしていたCMだそうです。
NIKE-CM Kevin Garnet - ft . Zeebra
 (ああ、これだ! たしかに記憶にある)
 そして、「日本語において『韻を踏む』というのは、そんな堅苦しいことではなく、高度な遊び? 粋な感じ?なのかなと思います」。
 草野くん自身は、「ZEEBRAさんとかKREVAくんにも影響を受けていますね」。
 (高度な遊びか~。おもしろいな。この曲も歌詞をしっかり見ればそれはそれで愉快だし、ただ聴いていても、はっきりわかる韻からの音のメッセージが伝わる)



 特集の終わりに。
 洋楽ではなく、日本語のロックやポップスに韻を取り入れるとなると、「歌詞が印象的になって楽しい反面、やりすぎるとそこばっかりヘンにひっかかることがあって、なかなか塩梅が難しい」と。
 でもそこは、「曲を作る人間として、まだまだ探究していきたいテーマかな」と。
 (すごく興味あるテーマで、楽しかった。「な~な~な~」であっても、たくさん歌ってくれたし)


 今日の「ちょっぴりタイムマシン」は、FLIPPER'S GUITARの「Boys Fire the Tricot」(1989年、1stアルバム『three cheers for our side 〜海へ行くつもりじゃなかった〜』/作詞:小沢健二、作曲:小山田圭吾)。
 (イントロは、「オーバードライブ」だ!! かわいくて妖しい、初期のスピッツ楽曲)

 日本人で英語の歌詞の曲を作っているアーティストは結構いるが、「韻を踏んでいない人が多くて、正直、残念に思うことがある。洋楽ファンなら、ちょっとわかってくれるかなあ」。
 ネイティブじゃないと、韻を踏んで歌詞を作るのは「なかなか難しいかも」。
 でも、「FLIPPER'S GUITARはちゃんと韻を踏んでたんだよね」。1stアルバムは全曲英詩の楽曲でした
 「そういうところも、彼らの本物っぽさの要因だったのではないかと思います」
 曲もオシャレで、「当時周りの女子たちが夢中になってたから、表では、そんなにいいか~?な顔をしながらも、陰ではメチャメチャ聴いてましたけどね」



 そして来週は、「手拍子で漫遊記」。
 ロックナンバーには、ハンドクラップハンドトラップを取り入れたものが結構多い、そうで、「手拍子の入ったロックナンバー」で漫遊です。

 「草野さん、最近レギンスがまた流行ってきたので、タンスの奥に眠っていたやつを取り出しました!」



 少し、目がかゆくなってきたかな。
 季節・・・だな。


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