『鍵泥棒のメソッド』
2012年作品
監督 内田けんじ
出演 堺雅人/香川照之/広末涼子/荒川良々
スマホの「メモ」には「観たい映画」を30本近くあげてあって、その数はハンパじゃない。その数はなかなか減らない。
タイトルを見ただけでは、主演俳優名どころか、日本映画なのか外国映画なのかさえ定かではなくなっていて、それも情けない。
その中から、ようやく『鍵泥棒のメソッド』を観ることができた。
http://kagidoro.com/index.html
理屈なしに「おもしろい!」・・・そういう映画だった。
堺雅人主演というか、堺+香川ツートップに広末がからむ、という感じかな。
全編通して、フワフワととらえどころのない、いい加減な売れない役者桜井を、堺雅人がなんともかわいらしく演ずる。
一方の記憶を失う殺し屋コンドウ(実は殺し屋じゃなく、究極の人助けの便利屋なんだけど)。とにかく几帳面で努力家で、記憶を失っているときにはその真面目さがおもてに強くあらわれる、そんな人物を律儀に演ずる香川。
この二人を見ているだけで十分に笑えるし、ドキドキする。役者だなあ、ということか。
「鍵泥棒」の「鍵」は文字どおり、二人の人物が入れ替わる、このドラマの発端となる風呂屋の脱衣場の鍵なんだろうけど、きっと人生や生き方を左右する意味をもつ「キー」でもあるんだろう。
「メソッド」の本来の意味を考えれば、それを駆使したのは香川演ずるコンドウのほうで、彼はたぶん、どんな状況に追い込まれても、とりあえず持ち前の集中力と追及する心と行動力で、そこそこ以上の道を必ず切り開くタイプかもしれない。
生き方が不器用な広末演ずる30代女性は、それがいい方向に進むかどうかは別にして、まずはコンドウのよきパートナーになるだろう(似ているところがイヤになる可能性はなきにしもあらずだけどね)
楽しい突っ込みどころ満載の映画で、相方としばらくの間、ああだこうだと言い合えたのも、案外貴重な映画だったかも。
誰かと一緒に見て(あるいは観たあとにファンを見つけて)、意味もなくいろいろ感想を言って、あ、全然違うところで笑ってたのね・・・なんて知るのもいいかもしれない。
ちなみに、記憶が戻ったコンドウ(彼は記憶喪失の間にエキストラ、いや役者?としての才能も開花させちゃったのですが)が、売れない役者を何年も続けている桜井に演技指導するところがめちゃくちゃ笑えた。まさしく、「メソッド演劇法」で。
エンドロールで流れる吉井和哉「点描のしくみ」もとびきりチャーミング。
ここを狙われたら誰でもかなりマズイでしょ。ちょっと反則かな、と思うけど。
平井堅ニューシングル「桔梗が丘」のMV。
以下のはメイキングが途中に入っていて気分がそがれるかもしれないけど、あえてこれで。
ちなみにアコースティック ver. もあり。
「大好きな男たちは久々に母親に会うとき、なんとも愛らしいこんな表情をするのだろうか」
「愛する息子たちはいつだって素っ気ないけれど、それは私が気づかないだけで、こんな優しいまなざしを見せていてくれるのか」
立場はいろいろでも、ほのかな優しさを運んでくれる映像。
娘と母親ではなく、息子と・・・というところが。
幸福な関係はいつだって、背中を温かくしてくれる。
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