人的資本の開示について取り上げた解説記事。
「有価証券報告書には、人材育成の方針や社内環境整備の方針、これらの方針に関わる指標を記載することになる。ただし、自社の人材に関する情報をどんな指標を用いて開示するかは具体的に定められていない。22年8月に政府が公表した「人的資本可視化指針」やISO30414といったガイドラインを参考にするのが現実的だろう。
人的資本の開示で何より大切と言えるのが、将来のありたい姿を明確にし、説明することだ。人材価値を最大限引き出し、企業価値を高めるためには、まず人材戦略が経営戦略と連動していなくてはならない。」
記事後半では、丸井グループと味の素の取り組みを紹介しています。
「先行しているのが、丸井グループだ。22年3月期の有価証券報告書では、人的資本投資について詳細に説明した。26年3月期に77億円から120億円に引き上げるという計画を示すだけでなく、何を人的資本投資とするのかを明確に定義している点が特徴だ。
従来は教育・研修費と定めていたが、将来の価値を生むための投資と再定義した。例えば、新規事業に関わる社員の人件費や、スタートアップと共に価値の創出に取り組む社員の人件費、「職種変更」と呼ぶ人材育成を目的とした制度で異動した社員の人件費などが含まれる。」
「味の素は人的資本を定量的に把握しており、開示にも積極的だ。同社は、企業価値の向上を目指して30年度までのロードマップを策定している。価値向上の源泉である人材の成長と挑戦を後押しするため、重点を置くKPI(重要業績評価指標)の1つに「従業員エンゲージメントスコア」を設定した。」
金融庁によるごく簡単な解説(再掲)。
「サステナビリティ情報の記載欄の新設等の改正について(解説資料)」(金融庁「サステナビリティ情報の開示に関する特集ページ」より)