会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

自主規制モニター会議(2024年3月28日)の議事要旨等の公表について(日本公認会計士協会)

自主規制モニター会議(2024年3月28日)の議事要旨等の公表について

2024年3月28日に開催された日本公認会計士協会の「自主規制モニター会議」の議事要旨と会議資料が公開されています。

この会議では、品質管理レビュー制度や上場会社等監査人登録制度の運営状況についての報告・質疑応答などが行われたようです。そのほか「懲戒処分の周知、公示及び公表等の見直し」についても議論しています。

以下、委員の発言より。

協会の見解とは違うかもしれませんが、協会が選任した有識者の考え方なので、協会も影響を受けるでしょう。

「上場会社等監査人登録制度への完全移行を睨み、より高い品質管理の水準を実現するために登録時のガイドラインを定め、これに準拠して改善勧告を行った結果、改善勧告事項が大幅に増えたことについては、前向きに評価すべきことだろうと思う。今後の登録審査のプロセスにおいて、改善の実施状況を確認するとのことであり、引き続き、信頼性向上に向けて取り組んでもらいたい。」

「「監査事務所の品質管理のシステム」に係る改善勧告事項には様々な要素があり、程度問題や段階的な改善が想定される項目もあるが、中には一時でも充足されていないと外部の利害関係者が心配になる項目(情報セキュリティや監査調書の整理及び管理・保存)もある。こうした項目については、他の項目よりも改善対応のスピード感を考えた方がいいように思う。」

再三辞退勧告を受けているにもかかわらず監査契約を更新してしまっている監査事務所があり、これについてもまた品質管理レビューに入らなければならず、コストとリソースが掛かっていることについて、非上場会社や協同組織金融機関の財務諸表利用者の側からの規律を働かせる仕組みは考えられないのか。」

(そんな事務所があるんだ...)

「会員に対するモニタリングと改善指導、上場会社の監査からの退場(上場会社等監査人登録名簿への登録の拒否又は取消し)の判断が適切に行われることが、上場会社等監査人登録制度上の登録を受けた監査事務所としてのブランドステータスを維持していく上で重要な要素になると思われる。リソースの問題もあると思うが、強化していく必要がある。」

(おかしな事務所を登録させるとまともな事務所がステータスが落ちて迷惑だという意見のようです、)

「懲戒処分の公表制度の趣旨が、協会としての説明責任を果たし、公認会計士制度に対する社会の信頼を確保することにあるとすれば、懲戒処分確定後の公表については、事案発生から数年後、場合によっては行政処分の後のタイミングになるケースもあり、適時性の観点からは効果が期待しにくいのではないかと思われる。公表制度の趣旨を踏まえ、調査事案の途中段階や懲戒処分確定前の会長判断による公表を適切に運用してもらいたい。」

以下、会議資料より。

たしかに、品質管理システムの指摘が大幅に増えているようです。(今までが甘すぎたということ?)

上場会社等監査人登録制度の登録の際には、これらの指摘の改善状況もチェックするでしょう。登録されていない事務所がまだ相当残っているのは、このあたりに理由があるのでしょうか。

会議時点の登録状況は...

別ページのデータによると、130事務所が申請予定とのことです。この会議以降、登録が進んでいるでしょうが、まだまだ残っている感じです。

「上場会社の監査からの退場」を余儀なくされる事務所も出てくるのでは。

最新の登録状況はこちらから。

登録上場会社等監査人情報

現時点で36事務所が登録されています。

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