会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

(社説)日大強制捜査が問う統治不全(日経より)

(社説)日大強制捜査が問う統治不全(記事冒頭のみ)

日本大学背任疑惑に関する日経社説。

ガバナンス不全が問題だといっています。

「日大には昨年度、90億円もの私学助成が交付された。大学は社会に人材を供給する公器である。ゆえに私学にも国費が投じられている。著名大学の理事長にその自覚があるのか。捜査の動向にかかわらず、説明責任を果たし、出処進退を明らかにすべきだ。

日大を巡っては過去にも、不明朗な工事発注の疑惑が浮上し、文部科学省が事情聴取した。学内調査に着手したものの実態解明は中途半端に終わり、自浄作用を発揮できなかった。今回の背任容疑と構造が酷似している。

問題は、大学経営のガバナンス(統治)の不全である。」

3年前の危険タックル問題の時にも、第三者委員会は執行部の説明責任を指摘していましたが...

「しかし、田中氏は公式の場での説明を拒み、他の理事も表だって異論を唱えない。教職員が執行体制の刷新を求めたが、馬耳東風である。私学の自治は尊重されるべきだが、社会の常識を逸脱している。文科省は「捜査を見守りたい」としているが、適切に指導する必要がある。」

7万人も学生がいて、大きな病院をいくつも持っているような、社会的影響の大きな巨大組織(事業活動収入2023億円、総資産7690億円)なのですから、検察の捜査の結果がどうであれ、自分たちでも独立した委員会を設けて調べるのが筋ですが、いまのところ、たった2行のプレスリリースしか出せていない状況ですから、期待するのは無駄なのでしょう。

社説の中でふれている私立大学の「ガバナンスコード」というのは、たぶんこれです。

日本私立大学協会憲章 私立大学版ガバナンス・コード<第1版>(日本私立大学協会)

日経社説ではふれていませんが、文科省でも「学校法人ガバナンス改革会議」というのを設けて、私立大学などのガバナンスを検討しているそうです。

当サイトの関連記事
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「不正経理」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事