会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

内部調査委員会の調査結果に関するお知らせ(ホッカンホールディングス)

内部調査委員会の調査結果に関するお知らせ(PDFファイル)

ホッカンホールディングス(東証プライム)のプレスリリース(2024年5月10日)。

昭和製器という連結子会社における多額の横領(この事件です→当サイトの関連記事)に関する調査報告書を受領したとのことです。調査報告書の内容を紹介しており、報告書自体も添付されています(ただしごく短い開示版のみ)。

報告書は、不正の手口については、抽象的にしか書いていません。横領した資金の使途については、ギャンブル等により元従業員が個人的に費消したことを確認したようです(会社関係者に還流したり、不正な会計操作に使われたりということはなかったということ?)。

「(1)本件不正送金の概要

当該元社員は、2015 年 8 月から 2024 年 3 月にかけて、オンラインバンキング上、昭和製器名義の銀行預金口座から、当該元社員名義の銀行預金口座に対して、正当な理由なく、不正に送金することを繰り返しており、送金金額の合計は 3 億 5317 万 1208 円に及びます。

当該元社員は、昭和製器の経理担当者として、オンラインバンキング上の送金及び経理処理について担当権限を有しており、オンラインバンキング上、本件不正行為が容易には表示されないような送金方法及び操作を行い、また、本件不正送金が容易には発覚しないよう経理処理を行っており、これらの隠ぺい行為により本件不正送金の発覚が遅れたものと思われます。

(2)当該元社員による本件不正送金により得た金員の使途

 当該元社員は、当調査委員会に対し、本件不正送金により得た金員はギャンブル等により費消したと説明し、また、当該元社員名義の銀行預金口座の入出金記録を任意提出いたしました。

当調査委員会が確認したところ、例えば、ある日においては、不正送金により昭和製器から得た金額以上の金額を同日中に競艇の投票券代金等として支払っていることが確認できており、本件不正送金により得た金員は、競艇等のギャンブルに費消され、時としてギャンブルに勝った金額があっても、その金額も即座にギャンブルに費消されている様子が確認できました。」

また、「組織的関与や社内協力者の存在はなかったものと考えております」とのことです。

この不正に関する会計処理については、プレスリリースによると、「本件不正行為が継続していた期間の損益に与える影響は重要性に乏しいことから、過年度および 2024 年 3 月期第 3 四半期までの有価証券報告書および四半期報告書の訂正は行いません」とのことです。

特別損失計上のプレスリリースも同じ日に出しています。

特別損失の計上に関するお知らせ(PDFファイル)

「本件不正行為による影響額として認定された3億49百万円を当社連結子会社である昭和製器株式会社において貸倒引当金繰入額として特別損失に計上する見込み」とのことです。

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