上場会社のGC注記を分析した記事。ベテランの会計士の人が書いています。
執筆時点で52社の東証上場企業がGC注記をつけているそうです。
「GC注記が記載されている年数を分析すると、4年以上継続して注記を行っている会社が23社あります。半数近い企業に4年間以上GC注記が付いたままということです。そのうち、10年以上が2社あり、創建エースという企業(スタンダード上場)は14年間、すなわち2010年からGC注記が付きっぱなしです。この企業は、設立以来6回も社名を変えており、GC注記が付いた時はクレアホールディングスという社名でした。株価は34円(執筆時点)です。
この企業では、期末後1年間持たないかもしれないという判断が、14年間続いたということになります。GC注記は付いているものの、結果的には継続企業の前提を維持できたということです。」
監査事務所別では...
「監査法人別に集計してみたところ、大手と準大手は少なく、ほとんどが中小監査法人です。
その中でも監査法人アリアが8社の監査人になっています。また監査法人ではなく、2名の公認会計士が監査人となっている企業が3社あります。大手や準大手の監査法人は、監査上のリスクが高くそれに報酬が見合わないため、GC注記が付くような企業を避ける傾向があります。
中小監査法人はそのようなリスクを承知の上で監査をしていることになります。」
GC注記会社のリスクが高いというのはそのとおりですが、監査人がもっとも責任を問われる可能性があるのは、GC注記をつけていなかったのに倒産してしまった場合でしょう。GC注記をつけさせることが、むしろ保険になっているのかもしれません。