これもソフトバンクによるスプリント買収に関する記事です。携帯販売の会計処理についてふれている部分を紹介します。
「スプリントは「4S」に続く「5」の発売で契約獲得を急回復させている。だが業績を大きく改善するには至っていない。これは米国独特の会計ルールに原因がある。米国も日本と同様に安く設定した端末料金を通信料金で回収するモデルだが、米国の場合、端末販売時に差額をいったん赤字計上するルールがある。このためiPhoneが売れれば売れるほど、短期の赤字幅が膨らむ構図だ。
ソフトバンクはここに目を付けた。端末販売に伴う赤字分は通信料金で返ってくるため、中期的には業績を押し上げるドライバーになる。スプリントのダン・ヘッセ最高経営責任者(CEO)も15日の会見で「iPhone投入で費用がかさんでいるが、2014年から利益成長に転じる」と語った。孫社長も会見の最後にこう応じた。「今が買いだ」。」
日本の場合も、以前はここでいっている米国と同じような処理だったと思います。しかし、現在は、たしかソフトバンクが始めたのだと思いますが、契約上、端末の値引きではなく、その後の通話料金の値引きというスキームにしているため、端末販売時の赤字を免れているようです(端末の代金は分割払いだが値引き分を控除した金額しか実際には入金しない)。本来、会計処理も法形式ではなく、実質に合わせた処理にすべきだと思われますが、そうなっていません。
こういう会計処理のくせを見抜いて買収に踏み切ったとすれば、立派ではありますが・・・。
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