弘法大師空海が42歳で四国を巡錫したとされる年を起点に1200年目にあたる2014年に名古屋のJTB旅物語が9月から毎月一回、9ヶ月で札所88ヶ所と高野山奥の院を日帰り二回、一泊二日三回、二泊三日四回の都合十一泊二十日の巡礼の総費用が夫婦で73万円程度になる企画案内が届いた。
同様の目論見を昨年6月に始め、二泊三日で20ヶ所、9月に三泊四日で16ヶ所を打ち終えた。残りの52ヶ所と高野山奥の院を7月25日から七泊八日で巡拝して老夫婦念願の納経掛軸が墨書朱印で埋まる。
合計の総経費は旅行社の半額程度に収まるが、故に掛軸の価値は半分であると断定するのは経済野獣の論理である。
心の旅路の証の墨書朱印を一回500円、合計44500円の商品と値踏みするなら巡礼者としては未熟者である。墨書朱印に対する領収書は発行されないし、消費税も免除される。
本当は志納金だから富裕層は多額、貧困層は少額、個別自主的に決まるのだろうが、経済大国の札所の安全安心を担保する 為に霊場会の集団的自衛権の発動で均一料金が提示される。