マイ ポエム

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第二詩集「風に恋して」 窓 より 3 (つづき)

2009-11-11 19:17:15 | Weblog
白 鳥


突然 窓が教えてくれる
私の期待を
やさしく起こしてくれるのだ
今 彼女が通ると

堀端の緑に見え隠れする
白いワンピース
街の騒音は息をひそめて
彼女にズームイン

時にだれかと一緒だったりして
ドキドキして窓下にかがみこんで
見上げると
雲が白い歯をみせて笑っている

彼女の消えた空白に
ゆっくりと白鳥が矢印をつけ
落とし物はなかったかと子犬があとを駆け
そして蝶がジーエンドを描く



 一 日


一日が終わろうとして居る
空で燃えて
天に昇ろうとしている
神様に 逢いにだろうか

僕の一日も終わろうとしている
部屋で萎えて
夜へ落ちようとしている
僕の手にもう一度あたたまりに

一日がこぼれようとしている
ノートの上で
新しい姿をとろうとする
僕の一日を完成しに

一日働いていたのに
僕の一日はどこにもないのだ
窓よ 一日を眺めまわしていた格子よ
貧しい僕の内部になっていておくれ


 夕焼け


眺め暮らした一日の
最後に
燃えて崩れようとしている
夕映えの窓
さあ 眼をとして
私の内部で甦るのだ

夜は冷たい
おまえ一人はなお冷たい
私一人はもっと冷たい
おまえと私と二人
今日一日の言葉を探して
夜を燃えてみよう

 夜


明かりを失った窓は
夜より暗い
私はおまえを壊してしまいそうで
身動きができない