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詩  深い哀悼を込めて友に送る 3

2010-04-11 18:09:47 | Weblog
元気づけを有り難う
     
四十年空白をスリップしての同窓会
産めよ増やせの戦争時代の
イ組からチ組の学年生四百人
そこに集い合った百余人
あちらでもこちらでも再会の歓声が上がっている
クラス別に座ると 仲間たちは
長い隔たりの前に やや緊張ぶりで 
切り出しの言葉をさぐっている

やがて 懐かしい面々どうし顔を寄せ合い
私も昔からの腕白たちと杯を交わす
欠席者の話になって
あの女性ヒト どうしてはんにゃろ?
ああ 彼女ね オレ好きやったな
ええ? 俺もやん!
いや ワシかてやで
と マドンナの話で盛り上がる

マドンナであったことを讃えるべきなのに
驚きと気落ちの谷底に滑り落ちた私
ただの嫉妬心なんだが
その他大勢であった自分が
なんだかつまらなく見え出し
彼女の気品が汚れたわけでもないのに
初恋はやや遠く霞んで行った

私の初恋が大事なのではない
初恋のあなた自身が大切なのに
なんと勝手な気落ち
当然 罰をうけたのだろう
友情をもっと温めたかったあなたも
晩年 もらっていた懇意な電話の語らいも
突然 永遠に消えてしまって
もうこの世では二度と
会うことも 聞くことさえもできない
気落ちどころか
もっと深い孤独の谷の底に
私はうずくまっている

淡い幼い私の想いに
ふと どこからか思い出が訪れてくる
もっと幼い もつと淡い
出会い
突然 始まった男女共学で
隣りの列に私と並び合った女の子
どんな私語を交わしたのか
思い出しようもないが
なぜか 蘇ってくる
二人してカンニングし合ったこと
そして おてんばだったあなたに
惹かれていったこと
私の初恋には筋道があったのだ

私が失っていた
幼くて淡い 遠くの筋道
たどらせてくれたのは
幼くて淡い 遠くの出会い
隣の席の女の子
淡くて 遠くの
もう会えない世界の
大切なあなたなのだろう

私を元気づけようと

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