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東京でカラヴァッジョ 日記

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【名画の流転】クリムト《アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像II》

2017年02月14日 | 西洋美術・各国美術

   ちょっと驚いたニュース。

「米国の人気司会者に臨時収入、クリムト絵画を170億円で売却-関係者」


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170211-67025005-bloom_st-bus_all

 

クリムト
《アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像 II》

売買時期:2016年
価格   :1億5000万ドル
売却者:オプラ・ウィンフリー氏
購入者:中国人バイヤー(氏名は明らかになっていない)

 

   この絵は、2015年に日本公開された映画『黄金のアデーレ  名画の帰還』の主役であるクリムト《アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像I》ではない。

   映画ではほとんど取り上げられなかったと記憶するクリムト《アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像II》のほうである。

   1ではなく、2のほうである。


   2006年1月、クリムト《アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像I》、《アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像II》他計5点が、オーストリア政府からマリア・アルトマンに返還される。

   同年6月、彼女は《アデーレI》を売却する。1億3500万ドル(約192億円)。この金額は、当時の絵画市場史上最高額となる。

   《アデーレI》は、映画公開の2015年当時と変わっていなければ、ニューヨークのノイエ・ギャラリーにいる。20世紀初めのドイツ・オーストリア美術を専門とする美術館のようである。

 

   一方、《アデーレII》は、返還された他3作品とともに、同年11月に売却される。
   《アデーレII》は8790万ドルの価格であった。

   なお、《アデーレII》は、映画公開の2015年当時、オークションで入手した個人コレクターからMOMAに長期寄託されているものと私は認識していた(誤認識だったかもしれません)。

   そして、個人コレクターが入手してから約10年、8790万ドルから1億5000万ドルと、7割強のアップ、《アデーレI》価格超えで、所有者が変わる。

 

   名画の流転。


   名画が元気でさえあれば、いつか観ることができる日がやってくるに違いない。次世代、次次世代のことかもしれないが。



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