東京でカラヴァッジョ 日記

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企画者クロストーク「TRIO展の舞台裏」(東京国立近代美術館)

2024年07月16日 | 展覧会(西洋美術)
 6月29日(土)、東京国立近代美術館地下1階講堂にて14時から開催された、トリオ展の企画者クロストーク「TRIO展の舞台裏」を拝聴する(先着順、参加無料(観覧券不要))。
 
 本展の企画者である、東京国立近代美術館研究員の横山由季子氏と、大阪中之島美術館主任学芸員の高柳有紀子氏のお二人が登壇。
 
 「トリオづくりのプロセス」についてトークされる。
 
 約2年前から企画が始まった本展。
 美術史的な年代順のオーソドックスな展示ではなく、3館それぞれのコレクションの魅力を打ち出すという構想は、東京・大阪の二人の考えが偶然に一致し、パリの企画者に提案したものだという。
 3館によるオンラインミーティングを重ねた「トリオづくり」、34組の今の姿になるまでにはさまざまな変遷があったという。
 
 トークでは、34組のうち、次の11組を取り上げ、その変遷が紹介される。
 
1 コレクションのはじまり
5 加速する都市
9 都市のグラフィティ
13 現実と非現実のあわい
14 まどろむ頭部
15 モデルたちのパワー
16 自画像
20 人物とコンポジション
26 色彩とリズム
29 軽やかな彫刻
31 日常生活とアート
 
 最初から万場一致で決まったトリオは、「モデルたちのパワー」、マティス・萬鉄五郎・モディリアーニのただ一つ。
 
 東京・大阪が強く希望するも、常設の目玉であり外せないと断られたパリの作品。
 パリの作品を起点としたトリオにおいて、強く希望するも部屋の雰囲気を壊してしまうとのパリの意見により断念した東京の作品。(別のトリオにおいて同様に断念した東京の作品、また、大阪の作品。)
 大阪が展示替え候補作を所蔵しておらず、会期の半分は東京2点とするウルトラCを検討したトリオ(結果的には、大阪がたまたまちょうど良い作品をギリギリ滑り込みで収蔵したことから解決)。
 
など、10組の変遷。
 
 
 
 トークは1時間ほどで、展覧会企画の一端がうかがえて、非常におもしろかった。
 また、大阪中之島美術館は、そのコレクションをまとめて展示するのは大阪以外では本展が初めてのことであるらしいが、本展出品作以外にも興味深い作品をまだまだ所蔵しているらしいことを認識する。
 この日はトリオ展自体は鑑賞せず。
 
 
TRIO パリ・東京・大阪
モダンアート・コレクション
2024年5月21日〜8月25日
東京国立近代美術館
 
 7月9日から後期入り。
 
 7月23日〜8月8日の期間、作品保護のため、萬鉄五郎《裸体美人》の展示を一時休止し、代わりに萬鉄五郎《裸婦(ほお杖の人)》を展示する。この期間の再訪を考えているところ。


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