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東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

石山寺縁起絵巻の全貌(滋賀県立近代美術館)

2012年11月24日 | 展覧会(日本美術)

このブログを開始してからは5回目となる「関西プチ美術旅行」を敢行した。


今回は展覧会を2つ見る方針。
1つはエル・グレコ展で確定。
もう1つを悩んでいたが、出発当日朝、ネットで見つけた次の展覧会にした。


石山寺縁起絵巻の全貌
2012年10月6日~11月25日
滋賀県立近代美術館


全7巻を一挙に公開するのは初めてであるということ。
「この期間だけぜ~んぶ見られます!」という期間にあたっていたこと(それ以外の期間は各巻の前半または後半のみの公開)。
この2点だけで、この絵巻のことは全く知らなかったが、訪問を決めた。


新幹線を京都駅で降り、JR琵琶湖線で瀬田駅下車、バスで「文化ゾーン」へ。
人里離れたところに作った(?)文化施設の集合体らしい。
雨の中、同じ停留所で降りた3人について歩いて行くと、なんと3人とも県立図書館に入っていった。
まあ、美術館はそのすぐ近くであったが。


本絵巻は、生活史あるいは交通史等の、またとない当時を伝える宝庫の資料として知られているらしい。
これまでは多くの展覧会でそのような部分のみ展観されてきたが、今回一挙公開とのこと。


石山寺縁起絵巻は全7巻であるが、巻により制作年代が異なる。
第1~3巻:14世紀(鎌倉)
第4巻:1497年(室町)
第5巻:14世紀末~15世紀初(南北朝末~室町初期)
第6~7巻:1805年(江戸、谷文晁作)


絵巻には、石山寺がいかに由緒正しいか、ご利益があるのか、が延々延々と描かれている。
紫式部(石山寺に参籠して「源氏物語」を書きはじめたという)も第4巻の冒頭に登場する。


第2巻第4段の猫(当時の猫はこのような飼い方をされていたのです、とのキャプション)。
第6巻の燃え上がる炎の場面(炎は「平治物語絵巻」三条殿夜討巻(ボストン美)、斬首する様子は同絵巻の信西巻(静嘉堂文庫)を参考にしていると考えられるとのこと、ウィキペディアより)。
第7巻の嵐の場面
等々多少興味を惹かれる場面もあることはあった。


が、一番惹かれたのは、谷文晁による石山寺縁起絵巻草稿。
「草稿」。キャプションによると、本絵巻のための2番目の草稿だという。
絵巻形式で、公開は第7巻の嵐の場面であったが、完成作と出来が変わらないように見えた。
絵巻もこのような草稿を作るのだなあ、と感心。
草稿には描かれていて、完成作にはない箇所を発見して、一人喜ぶ。


訪問日当日は、関西文化の日ということで、常設展が無料。
企画展チケットに常設展のチケットも付いていて、係員からは「今日は常設展が無料なので、このチケットは次の機会にお使いください」と説明を受けた。
次があるとしても企画展狙いだろうから、使う機会はないだろうなあ。 



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