1月2日、初詣の後、上野に行く。16時5分前の到着。
向かう先は、2012年からの耐震工事を終え、その日リニューアルオープンしたばかりの東京国立博物館の黒田記念館。
観覧料無料である。
今回新設された特別室では、黒田清輝の代表作≪読書≫≪舞子≫≪智・感・情≫≪湖畔≫が年3回、新年・春・秋に各2週間ずつ公開される(今年の新年は1/2~1/12)。
この有名な4点はこれまでも何回か見る機会があった。
黒田に特段興味はない私だが、≪智・感・情≫については、その不思議感が強く印象に残っている。
あと黒田作品で印象に残っているのは、静嘉堂文庫美術館蔵の≪裸体婦人像≫。明治34年の展覧会での有名な「腰巻事件」の当事者。要は、ヌード系作品については印象に残っているということ。若桑みどり氏『隠された視線 浮世絵・洋画の女性裸体像』や宮下規久朗氏『刺青とヌードの美術史-江戸から近代へ』を読んだ影響でもある。
この時間でも館内は賑わっている。
皆さん熱心に写真を撮っている。私も写真を撮る。
黒田清輝≪智・感・情≫
1899年(明治32年)作。
西洋女性の体に、顔は日本女性。
背景の金地。
そして、なぜそこに立っているのか、理屈が全く見当たらない。
西洋美術譲りの「象徴的裸体表現」ということだが、何か違う。
<智>
<感>
<情>
東京文化財研究所HPより。
この作品の日本絵画史における意義は、ひとつには描かれた裸体の意味するものを人々に考えさせたこと、即ち象徴としての裸体表現を広く知らしめたことにあり、ふたつめにはそうした象徴的裸体表現を日本人の身体像によって行い、日本人の裸体画のカノンを築いたことにあるだろう。
16時30分少し前に東京国立博物館・本館に向かい、毎年恒例の「博物館に初もうで」を少し見る。
国宝室の長谷川等伯≪松林図屏風≫には人だかり。
特別1室の「博物館に初もうで~ひつじと吉祥~」 で羊を撮る。
伝金ユ信墓護石十二支拓本のうち未
明治時代・19世紀(原碑=統一新羅・8~9世紀)
正倉院臈纈屏風 羊木写
明治時代・19世紀写