「松方コレクション展」開催中の国立西洋美術館。
いつもは常設展示されている19世紀〜20世紀前半の旧松方コレクション絵画がごそっと企画展示室に移動してしまった現在、常設展示室はどうなっているのか。
本館展示室は、「ル・コルビュジェ」展の開催中はお休みだった古典美術作品が再稼働。
いつもはモネを中心とした印象派作品が展示される新館2階展示室は、「モダン・ウーマン―フィンランド美術を彩った女性芸術家たち」展を開催中。
新館1階展示室は、近代・現代美術を規模縮小で展示。旧松方コレクションの印象派作品も少しながらも展示されている。
そこで、「松方コレクション展」に選抜されず、常設展示室にいる旧松方コレクションの近代絵画作品を探す。
結果は8点。
全てフランス政府からの寄贈返還作品である。
クールベ
《馬小屋》
1873年

モネ
《ラ・ロシュ=ギュイヨンの道》
1880年

ルノワール
《木かげ》
1880年頃

ピサロ
《エラニーの秋》
1895年

アンリ・ファンタン=ラトゥール
《聖アントニウスの誘惑》

カリエール
《母と子》

モーリス・ドニ
《踊る女たち》
1905年

マルケ
《レ・サーブル・ドロンヌ》
1921年

これらは何故選抜されなかったのか。おそらく作品の流転パターンが出品作と被ったのであろう。
「旧松方コレクション」 を探していると、初見の「新収蔵作品」表示付き作品があることに気付く。
「新収蔵作品」表示を探す。
結果、3点見つける。
クラーナハ
《ホロフェルネスの首を持つユディト》
1530年頃

本作は公開開始すぐの昨年10月に見て、ブログ記事にしている。
ペドロ・デ・オレンテ(1580〜1645)
《聖母被昇天》
1620-25年頃

(作品解説より)
作者のオレンテは、17世紀初頭にヴェネツィアでレアンドロ・バッサーノに学んだスペイン人画家で、その後トレドに戻りこれを描いた。色彩にはやはりヴェネツィアで学んだエル・グレコの影響が明らかであるが、マリアの肉体の量感や、粗野で武骨な使徒たちの風貌に、当時勃興しつつあった新たな自然主義絵画に対する強い関心が表れている。
この画家の作品は、2018年のプラド美術館展に1点出品されている。
ロヴィス・コリント(1858〜1925)
《樫の木》
1907年


ドイツの印象派を代表する画家。
初見2点の値段をネットで検索。オレンテはコリントの4分の1。そんなものなのか。なお、クラーナハの29分の1。この世界は分からない。
退館時、「松方コレクション展」の出品作でありながら、展示室内には置かれず、いつもどおり屋外にある旧松方コレクション作品の存在を思い出す。
ロダン
《地獄の門》


企画展用のキャプションもある。
無料観覧日の訪問。